【この記事の結論】 除籍謄本は1通750円で、本籍地の市区町村窓口・郵送・広域交付の3つの方法で取得できます。相続手続きでは必ず必要になる書類です。

  • 取得方法 — 窓口(即日)・郵送(約2週間)・広域交付(最寄りの役所でOK、要マイナンバーカード)の3つ
  • 必要な場面 — 銀行口座解約・相続登記・保険金請求・年金停止など相続手続き全般で必要
  • 手数料 — 1通750円(戸籍謄本450円より高い。改製原戸籍も750円)

この記事の対象読者: 相続手続きを進めている方、除籍謄本の取り方を調べている方、戸籍の種類の違いを知りたい方読んだら今日やること: 故人の本籍地を確認し、広域交付制度が使えるか市区町村に問い合わせましょう

相続手続きを進めていると、「除籍謄本を取得してください」と言われることがあります。しかし、除籍謄本とは何か、どこで取れるのか、戸籍謄本とは何が違うのか、わからないことだらけではないでしょうか。

この記事では、除籍謄本の取り方を4つの方法別にわかりやすく解説します。必要な場面や手数料、効率的な集め方のコツもお伝えします。


除籍謄本とは?戸籍謄本・改製原戸籍との違い

除籍謄本の基本

除籍謄本(正式名称: 除籍全部事項証明書)とは、戸籍に記載されていた全員が抜けて空になった戸籍の写しです。

戸籍から全員が抜ける原因は主に以下のとおりです。

  • 死亡
  • 婚姻(結婚して新しい戸籍を作る)
  • 転籍(本籍地を変更する)
  • 戸籍の改製(法改正による様式変更)

3つの戸籍の違い

相続手続きでは、3種類の戸籍がよく登場します。違いを比較表で確認しましょう。

種類 内容 手数料 使う場面
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書) 現在有効な戸籍の写し 450円 相続人の現在の情報確認
除籍謄本(除籍全部事項証明書) 全員が抜けた戸籍の写し 750円 故人の出生〜死亡の追跡
改製原戸籍謄本 法改正前の旧様式の戸籍 750円 故人の出生〜死亡の追跡

ポイント: 相続手続きでは、故人の出生から死亡までの連続した戸籍が必要です。人生の中で婚姻や転籍をしていると、複数の除籍謄本や改製原戸籍が必要になります。

改製原戸籍とは

改製原戸籍(かいせいはらこせき)は、法律の改正によって戸籍の様式が変わった際に、変更前の旧様式で作られた戸籍です。

主な改製は以下の2回です。

改製 時期 内容
昭和改製 昭和32年(1957年)頃 家単位から夫婦単位の戸籍に変更
平成改製 平成6年〜(1994年〜) 紙の戸籍からコンピュータ化

改製の際に新しい戸籍に移記されなかった情報(認知した子や養子縁組の記録など)があるため、相続手続きでは改製原戸籍の確認も欠かせません。


除籍謄本が必要な場面7つ

除籍謄本は、以下の場面で必要になります。

# 必要な場面 提出先
1 銀行口座の解約・名義変更 金融機関
2 不動産の相続登記 法務局
3 生命保険金の請求 保険会社
4 遺産分割協議書の作成 相続人間
5 相続税の申告 税務署
6 自動車の名義変更 陸運局
7 年金の受給停止手続き 年金事務所

いずれの場面でも、故人の「出生から死亡まで連続した戸籍」の一部として除籍謄本が求められます。

相続登記は義務化されている

2024年4月から、不動産の相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

相続登記には除籍謄本を含む戸籍一式が必要なため、早めの取得をおすすめします。


除籍謄本の取り方|4つの方法を比較

方法の比較一覧

方法 所要時間 メリット デメリット
窓口請求 即日(10〜30分) その場で受け取れる 本籍地の役所まで行く必要がある
郵送請求 約2週間 遠方でも取得可能 時間がかかる
広域交付制度 即日〜数日 最寄りの役所で取得可能 マイナンバーカード必要
コンビニ交付 除籍謄本は原則取得不可

方法1: 窓口で請求する(最も確実)

本籍地の市区町村役場の窓口で直接請求する方法です。

持ち物:- 本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証など顔写真付き1点、または健康保険証など2点)- 手数料: 1通750円- 印鑑(自治体によっては不要)

手順:1. 本籍地の市区町村役場に行く2. 「戸籍証明等交付請求書」に記入する3. 本人確認書類を提示する4. 手数料を支払い、除籍謄本を受け取る

所要時間: 10〜30分程度

方法2: 郵送で請求する

本籍地が遠方の場合は郵送で請求できます。

同封するもの:- 戸籍証明等交付請求書(自治体のホームページからダウンロード可能)- 本人確認書類のコピー- 定額小為替: 1通あたり750円分(郵便局で購入)- 返信用封筒(切手を貼ったもの)

注意点:- 何通必要かわからない場合は、定額小為替を多めに同封する(余りは返却される)- 届くまでに約2週間かかる- 請求書には「被相続人の出生から死亡までの戸籍すべて」と記載すると、必要な戸籍を漏れなく発行してもらいやすい

方法3: 広域交付制度を利用する(2024年3月〜)

2024年3月1日から始まった戸籍の広域交付制度(法務省)により、最寄りの市区町村窓口で全国の本籍地の除籍謄本を請求できるようになりました。

利用条件:- マイナンバーカードが必要(運転免許証では不可)- 本人が窓口に行く必要がある(郵送・代理人は不可)- コンピュータ化された戸籍が対象(一部の古い手書き戸籍は対象外)

メリット:- 複数の自治体にまたがる除籍謄本を1ヶ所でまとめて取得できる- 本籍地が遠方でも郵送を待つ必要がない

方法4: コンビニ交付について

コンビニのマルチコピー機で戸籍証明書を取得できるサービスがありますが、除籍謄本は原則として取得できません。取得できるのは現在の戸籍謄本が中心です。


除籍謄本を請求できる人

除籍謄本は誰でも取得できるわけではありません。

請求できる人の範囲

請求者 条件
本人 除籍に記載されている本人
配偶者 除籍に記載されている人の配偶者
直系尊属・直系卑属 父母・祖父母・子・孫など
代理人 委任状があれば第三者でも可
弁護士・司法書士 職務上の請求が可能

委任状が必要なケース

上記の範囲に該当しない人が請求する場合は、委任状が必要です。たとえば、兄弟姉妹が故人の除籍謄本を取る場合、直系ではないため委任状が必要になることがあります。


効率よく戸籍を集めるコツ

相続手続きでは、故人の出生から死亡までの戸籍をすべて集める必要があり、5〜10通になることも珍しくありません。効率よく集めるコツを紹介します。

コツ1: 法定相続情報一覧図を活用する

法務局で「法定相続情報一覧図」を作成すれば、戸籍の束を何度も提出する手間が省けます。

項目 内容
作成場所 法務局
手数料 無料(何通でも)
有効期限 なし(再交付も無料)
必要書類 戸籍一式・住民票・申出書

一度作成すれば、銀行・保険会社・法務局など複数の提出先で使い回せます。

コツ2: 最初の1通から芋づる式にたどる

戸籍の集め方の手順は以下のとおりです。

  1. 死亡時の本籍地で最新の除籍謄本を取得する
  2. 除籍謄本に記載された「従前の本籍」を確認する
  3. 従前の本籍地の役所で、その前の戸籍を取得する
  4. 出生の記載がある戸籍にたどり着くまで繰り返す

コツ3: 広域交付制度を最大限に活用する

2024年3月から始まった広域交付制度を使えば、最寄りの1ヶ所の役所で複数の自治体の戸籍をまとめて請求できます。ただし、マイナンバーカードが必要です。


よくある質問

Q. 除籍謄本は何通取得すればよいですか?

提出先の数だけ必要です。ただし、法定相続情報一覧図を法務局で作成すれば、戸籍の原本を返却してもらえるため、1セットで足ります。法定相続情報一覧図は何通でも無料で発行してもらえるので、活用をおすすめします。

Q. 除籍謄本と戸籍謄本の手数料が違うのはなぜですか?

戸籍謄本は450円、除籍謄本と改製原戸籍謄本は750円です。除籍謄本や改製原戸籍は古い記録を保管・管理するコストがかかるため、手数料が高く設定されています。

Q. 除籍謄本に有効期限はありますか?

法律上、除籍謄本に有効期限はありません。ただし、金融機関や法務局では「発行から6ヶ月以内」など独自のルールを設けている場合があります。取得後はできるだけ早めに手続きに使うことをおすすめします。

Q. 故人の除籍謄本が見つからない場合はどうすればよいですか?

市区町村の合併や戦災による焼失で戸籍が存在しない場合があります。その場合は、市区町村が「廃棄済証明書」や「焼失証明書」を発行してくれます。法務局に相談すれば、代替手段で手続きを進められることがあります。


免責事項: この記事は2026年2月時点の法令・制度にもとづく一般的な情報提供を目的としています。手数料や手続き方法は市区町村によって異なる場合があります。詳しくはお住まいの市区町村役場にお問い合わせください。

最終更新日: 2026年2月27日