葬儀保険は、月々数百円からの保険料で葬儀費用に備えられる少額短期保険です。60代以降で貯蓄が十分でない方や、持病があって他の保険に入りにくい方に向いています。

「葬儀費用のために保険って本当に必要なの?」「どの商品を選べばいいの?」とお悩みではありませんか。

葬儀費用の全国平均は約118.5万円(鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査」2024年)です。しかも、亡くなった方の銀行口座は凍結されるため、遺族がすぐに現金を用意できないケースも少なくありません。

この記事では、葬儀保険の必要性から、おすすめ4社の比較、失敗しない選び方までをわかりやすく解説します。

なお、自分に合った保険選びに迷ったら、保険マンモスの無料相談でFPに相談するのも一つの方法です。

葬儀保険とは?どんな仕組みの保険なの?

葬儀保険は少額短期保険(ミニ保険)の一種で、月々数百円〜数千円の保険料で30万〜600万円の死亡保障が受けられる掛け捨て型の保険です。

葬儀保険は「終活保険」とも呼ばれ、葬儀費用の準備を主な目的とした保険です。一般的な生命保険とは異なり、少額短期保険事業者が提供しています。

大きな特徴は、医師の診査が不要なことです。簡単な告知(質問への回答)だけで加入でき、高齢の方や持病のある方でも入りやすくなっています。

少額短期保険(ミニ保険)の一種

少額短期保険とは、保険期間が1年以内で保険金額が少額に設定された保険のことです。葬儀保険の基本的な仕組みは以下のとおりです。

項目 内容
保険期間 1年(自動更新)
保険料 月額数百円〜数千円
保険金額 30万〜600万円程度
加入条件 医師の診査不要(告知のみ)
保険金の使途 自由(葬儀以外にも使える)
保険金支払い 最短翌営業日

保険金の使い道は葬儀に限りません。お墓の費用や遺品整理、当面の生活費にも充てることができます。

「保険金定額」と「保険料定額」の2タイプ

葬儀保険には大きく分けて2つのタイプがあります。

タイプ 保険金額 保険料 特徴
保険金定額タイプ 一定(変わらない) 年齢とともに上昇 もらえる金額が決まっていて安心
保険料定額タイプ 年齢とともに減少 一定(変わらない) 毎月の支払い額が変わらず計画しやすい

「確実に一定額を残したい」なら保険金定額タイプ、「毎月の負担を一定にしたい」なら保険料定額タイプがおすすめです。

葬儀保険は本当に必要?必要な人・不要な人の判断基準

葬儀保険の必要性は年齢・貯蓄額・既存の保険加入状況で決まり、60代以降で葬儀費用の貯蓄が100万円未満の方にとくに有効です。

「葬儀保険は本当に必要なの?」と疑問に思う方は多いでしょう。結論としては、すべての人に必要なわけではありません。ご自身の状況に合わせて判断することが大切です。

葬儀保険が必要な人の特徴

以下に当てはまる方は、葬儀保険の加入を検討する価値があります。

  • 葬儀費用の貯蓄が十分でない方 — 全国平均は約118.5万円です
  • 60代以降で新たに保険に入りたい方 — 終身保険は加入年齢の上限が65〜75歳程度です
  • 持病があり一般の保険に入れない方 — 葬儀保険は告知のみで加入できます
  • 家族に葬儀費用の負担をかけたくない方 — 保険金は口座凍結の影響を受けません
  • 既存の生命保険の保障額が少ない方 — 上乗せで備えたいとき

葬儀保険が不要な人の特徴

一方、以下に当てはまる方は必ずしも葬儀保険は必要ありません。

  • 葬儀費用分の貯蓄がすでにある方(100万〜200万円程度)
  • 十分な保障額の終身保険にすでに加入している方
  • 40〜50代でまだ終身保険に加入できる方(終身保険のほうが有利な場合あり)
  • 互助会に加入済みの方

口座凍結リスクを知っていますか?

葬儀保険の必要性を考えるうえで、見落としがちなのが「口座凍結」の問題です。

銀行は名義人の死亡を知った時点で口座を凍結します。凍結されるとATMでも窓口でも引き出しができなくなり、相続手続きが完了するまで数週間〜数カ月かかることがあります。

2019年の改正民法で仮払い制度(1金融機関あたり上限150万円)が設けられましたが、戸籍謄本などの書類が必要で、すぐに利用できるわけではありません。

葬儀費用は亡くなってから数日以内に支払いを求められるケースが多いです。葬儀保険の保険金は口座凍結の影響を受けず、最短翌営業日に受け取れるため、この問題への有効な備えとなります。

葬儀保険のメリット・デメリットは?加入前に知っておくべきこと

葬儀保険は保険料の安さと加入のしやすさが強みですが、掛け捨てで貯蓄性がなく、長期加入では支払い総額が保険金を上回るリスクがあります。

加入を検討する前に、メリットとデメリットの両方をしっかり理解しておきましょう。

葬儀保険の5つのメリット

メリット 内容
保険料が割安 月々数百円〜数千円で加入できる
高齢でも加入しやすい 84〜89歳まで新規加入できる商品がある
持病があっても入りやすい 医師の診査不要。告知のみで加入可能
保険金の支払いが迅速 最短翌営業日に受け取れる
使い道が自由 葬儀費用のほか、お墓・遺品整理・生活費にも使える

葬儀保険の6つのデメリット・注意点

デメリット 内容
掛け捨て 解約返戻金がなく、貯蓄性はない
元本割れリスク 長期加入すると支払い総額が保険金を上回る可能性あり
更新時の負担変動 保険金定額タイプは保険料が上がり、保険料定額タイプは保険金が下がる
免責期間あり 引受緩和型は加入後1〜2年間、保障が制限される場合がある
保護機構の対象外 少額短期保険は保険契約者保護機構の対象ではない
保険金上限が低い 一般的な生命保険と比べると保険金の上限額が低め

注意少額短期保険事業者が万一破綻した場合、生命保険会社のような保険契約者保護機構による保護はありません。加入前に、事業者の財務状況も確認しておくと安心です。

葬儀保険おすすめ4社を比較|保険料・保障内容の一覧表

2026年現在、人気の葬儀保険はSBIいきいき少短・メモリード・ライフ・ベル少額短期保険・健康年齢少額短期保険の4社が代表的で、保険料や加入条件に違いがあります。

主要4社の葬儀保険を比較表にまとめました。

項目 SBIいきいき少短 メモリード・ライフ ベル少額短期保険 健康年齢少額短期保険
商品名 SBIいきいき少短の死亡保険 はじめやすい!葬儀保険 葬儀保険 千の風 やさしい終活保険
加入上限年齢 84歳 89歳 85歳10ヶ月 80歳
更新上限年齢 100歳 99歳
保険金額 100万〜600万円 30万〜300万円 50万〜300万円 50万〜300万円
保険料目安 月490円〜(54歳女性・100万円コース) 月額数百円〜 月額数百円〜 月額数百円〜
保険金支払い 原則翌営業日 最短翌営業日 原則5営業日以内 原則5営業日以内
おもな特徴 保険料最安クラス 10万円単位で設定可 持病対応の特約あり 健康年齢で保険料算出

※ 保険料は年齢・性別・保険金額によって異なります。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。

SBIいきいき少短「SBIいきいき少短の死亡保険」

保険料の安さで業界トップクラスの人気を誇る商品です。

  • 54歳女性・100万円コースで月額わずか490円
  • 100万〜600万円まで幅広い保険金額を選べる
  • 84歳まで新規加入でき、100歳まで更新可能

保険料を最優先で抑えたい方や、葬儀費用以外の整理費用まで備えたい方に向いています。

メモリード・ライフ「はじめやすい!葬儀保険」

冠婚葬祭事業のメモリードグループが提供する葬儀保険です。

  • 89歳まで新規加入でき、99歳まで更新可能(業界最高水準)
  • 30万〜300万円まで10万円単位で保険金額を細かく設定可能
  • 「保険金クイック支払サービス」で最短翌営業日に振り込み

高齢になってから備えを考え始めた方や、必要な金額だけ無駄なく準備したい方におすすめです。

ベル少額短期保険「葬儀保険 千の風」

持病がある方にも門戸を広げている商品です。

  • 「特別条件付保険特約」により、持病や既往症がある方でも条件付きで加入できる可能性がある
  • 保険金定額タイプと保険料定額タイプの計13プランから選択可能

他の保険に入れなかった持病のある方にとって、心強い選択肢です。

健康年齢少額短期保険「やさしい終活保険」

「健康年齢」という独自の考え方を採用した商品です。

  • 実年齢が高くても、健康状態が良好なら保険料が割安になる可能性がある
  • シンプルで分かりやすいプラン設計

健康に自信がある方は、実年齢以上にお得に加入できる可能性があります。

葬儀保険と終身保険はどっちがいい?違いを比較

40〜50代は貯蓄性のある終身保険、60代以降は加入しやすい葬儀保険が基本の選び方です。

「葬儀費用なら終身保険でもいいのでは?」と思う方もいるでしょう。それぞれの違いを比較表で整理します。

比較表で見る葬儀保険と終身保険の違い

比較項目 葬儀保険(少額短期保険) 終身保険
保険料 安い(月数百円〜) 高い(月数千〜数万円)
保険期間 1年更新 一生涯
加入年齢上限 84〜89歳 65〜75歳程度
解約返戻金 なし あり
貯蓄性 なし(掛け捨て) あり
保険金上限 300万〜600万円 制限なし
保護機構 対象外 対象
審査方法 告知のみ 医師の診査が必要な場合あり

年代別のおすすめはどちら?

年齢によって適した保険は変わります。以下を目安にしてください。

年代 おすすめ 理由
40〜50代 終身保険 保険料が比較的安く、貯蓄性もある。長期的な備えに向いている
60代 どちらでも 終身保険に加入できるなら検討の価値あり。保険料の負担と相談
70代以降 葬儀保険 終身保険の加入は難しいケースが多い。葬儀保険なら手頃に備えられる

ポイント若い方は終身保険を優先的に検討し、加入が難しくなってから葬儀保険を検討するのが基本です。すでに60代以降で保険未加入の方は、葬儀保険を早めに検討しましょう。

終身保険と葬儀保険のどちらが自分に合っているか判断が難しい場合は、みんなの生命保険アドバイザーのような無料相談サービスを活用して、プロの意見を聞いてみるのも有効です。

葬儀保険はどう選ぶ?失敗しない4つのポイント

葬儀保険を選ぶときは、保険金額・更新タイプ・支払いスピード・告知条件の4つを比較して決めるのがコツです。

ポイント1: 保険金額は葬儀費用の相場から逆算する

まず、どれくらいの保険金が必要かを考えましょう。葬儀形式ごとの費用目安は以下のとおりです。

葬儀形式 費用の目安
一般葬 約161万円
家族葬 約106万円
一日葬 約88万円
直葬・火葬式 約43万円

※ 鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査」(2024年)のデータをもとに作成

希望する葬儀形式の費用を目安に保険金額を決めるとよいでしょう。家族葬なら100万〜150万円、直葬なら50万円程度が目安です。

ポイント2: 保険料の更新タイプを確認する

「保険金定額タイプ」は保険料が年々上がり、「保険料定額タイプ」は保険金が年々下がります。

年金生活の中で保険料が増え続けるのは負担です。毎月の支払い額を固定したい方は保険料定額タイプ、確実に一定額を残したい方は保険金定額タイプを選びましょう。

ポイント3: 保険金の支払いスピードをチェックする

葬儀費用は亡くなってから数日以内に支払いを求められるケースが多いです。「翌営業日払い」に対応している商品なら、葬儀費用の支払いに間に合いやすくなります。

SBIいきいき少短やメモリード・ライフは原則翌営業日に保険金が支払われます。

ポイント4: 持病がある方は告知条件を確認する

持病がある方は、以下の順番で検討するのがおすすめです。

  1. 通常告知型 — 保険料が最も安い
  2. 引受基準緩和型 — 告知項目が少なく、持病があっても入りやすい
  3. 無選択型 — 告知不要だが、保険料は高め

まず通常告知型に申し込み、加入が難しければ引受基準緩和型を検討するとよいでしょう。

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葬儀保険に関するよくある質問

Q. 葬儀保険は何歳から入るのがベスト?

A. 一般的には60代からの加入が多いです。ただし40〜50代の方は貯蓄性のある終身保険も選択肢に入れて比較しましょう。早く加入するほど保険料は安くなります。

Q. 持病があっても葬儀保険に入れる?

A. 多くの葬儀保険は医師の診査が不要で、簡単な告知のみで加入できます。さらに「引受基準緩和型」や「無選択型」もあり、持病がある方向けの選択肢が用意されています。ベル少額短期保険の「千の風」は「特別条件付保険特約」で持病のある方もサポートしています。

Q. 葬儀保険の保険金は相続税の対象になる?

A. 葬儀保険の保険金も、受取人の状況によっては相続税や所得税の課税対象になる場合があります。税務上の取り扱いは契約形態によって異なるため、心配な方は税理士などの専門家に相談するのがおすすめです。

Q. 葬儀保険と互助会の違いは?

A. 互助会は葬儀社が運営する積立制度で、毎月一定額を積み立てて葬儀費用に充てる仕組みです。互助会は解約時に一定の返戻金がありますが、利用できる葬儀社が限定されることがあります。葬儀保険は保険金の使い道が自由で、どの葬儀社でも利用できる点が大きな違いです。

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まとめ

葬儀保険は、少額の保険料で葬儀費用に備えられる便利な保険です。この記事のポイントを振り返ります。

  • 葬儀保険は少額短期保険の一種で、月々数百円〜数千円の保険料で加入できる
  • 60代以降で貯蓄が十分でない方や、持病がある方にとくに向いている
  • 口座凍結リスクへの備えとして、保険金の迅速な支払いは大きなメリット
  • 掛け捨てで貯蓄性がない点や、保護機構の対象外である点は理解しておく
  • 保険金額・更新タイプ・支払いスピード・告知条件の4つで比較して選ぶ

葬儀の準備は、ご本人にとってもご家族にとっても大切なことです。「まだ早い」と思わず、元気なうちに情報を集めておくことが安心につながります。

この記事が、葬儀費用の備えを考えるきっかけになれば幸いです。


※ この記事は一般的な情報提供を目的としています。保険の加入・見直しについては、ファイナンシャルプランナーや保険の専門家にご相談ください。記事内の費用・保険料は目安であり、実際の金額は条件により異なります。

※ 葬儀費用の統計データは鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」に基づいています。

最終更新日: 2026年2月20日