【この記事の結論】 介護施設は全11種類あり、費用は月額7万〜35万円と幅広いため、要介護度・予算・入居時期の3軸で絞り込むのが失敗しない選び方です。

  • 公的施設5種類 — 費用が安い反面、入居待ちが数ヶ月〜数年になることもある
  • 民間施設6種類 — 費用は高めだが設備・サービスが充実し待機期間が短い
  • 選び方の4つの視点 — 要介護度・認知症の有無・予算・急ぎ度で最適な施設が決まる

この記事の対象読者: 親の介護施設を探している方、施設の種類や費用を比較したい方

読んだら今日やること: フローチャートで親に合う施設タイプを確認し、地域の施設を1件検索してみましょう

「親に介護が必要になったけれど、施設の種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない…」

そんなお悩みを抱えていませんか。介護施設には公的施設と民間施設を合わせて11種類以上あり、それぞれ対象者・費用・サービス内容が大きく異なります。種類を理解しないまま選ぶと、入居後に「こんなはずでは…」と後悔することにもなりかねません。

この記事では、介護施設11種類の特徴と費用を比較表でわかりやすく整理しました。さらに、「要介護度」「認知症の有無」「予算」「急ぎ度」の4つの視点から最適な施設タイプがわかるフローチャートもご用意しています。ぜひ最後までお読みいただき、ご家族に合った施設選びの参考にしてください。

介護施設は大きく2種類に分かれる|公的施設と民間施設の違い

介護施設は、運営主体によって「公的施設」と「民間施設」の2つに大きく分かれます。まずはこの違いを押さえておきましょう。

公的施設の特徴

公的施設は、国や自治体の補助金で設立・運営されている施設です。費用が比較的安く、入居一時金がかからないのが大きなメリットです。

ただし、費用が安い分だけ人気が集中しやすく、入居待ちが長くなる傾向があります。特に特別養護老人ホーム(特養)では、数ヶ月から数年の待機が発生する地域もあります。

民間施設の特徴

民間企業が運営する施設は、公的施設に比べて費用は高めです。しかしそのぶん、設備やサービスの選択肢が豊富で、入居までの待機期間も短い傾向にあります。

レクリエーションやイベントが充実していたり、居室が広かったりと、生活の質を重視した施設が多いのも特徴です。

公的施設と民間施設の違いまとめ

比較項目 公的施設 民間施設
運営主体 自治体・社会福祉法人 民間企業
費用 安い(月額7〜20万円程度) やや高い(月額10〜35万円程度)
入居一時金 基本なし 0円〜数千万円(施設による)
入居待ち 長いことが多い 比較的短い
サービスの幅 基本的な介護中心 多様で選択肢が豊富
入居条件 厳しめ(要介護度など) 比較的ゆるやか

公的施設5種類の特徴と費用

公的施設には5つの種類があります。それぞれの特徴と費用を見ていきましょう。

1. 特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホーム(通称「特養」)は、要介護度が高い方のための公的施設です。原則として要介護3以上の方が入居できます。

24時間体制で介護サービスを受けられ、入居一時金が不要なうえ、月額費用も約9万〜15万円程度と比較的安いのが魅力です。低所得者向けの減免制度を利用すれば、月5万円台に抑えられるケースもあります。終身利用ができるため、長期間の入居にも向いています。

ただし人気が非常に高く、地域によっては入居まで数ヶ月〜数年かかることもあります。

項目 内容
対象者 原則 要介護3以上・65歳以上
入居一時金 0円
月額費用 約9万〜15万円(減免制度で月5万円台も可)
入居待ち 数ヶ月〜数年
特徴 費用が安い・終身利用可・待機が長い

2. 介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(通称「老健」)は、病院から退院した後、自宅に戻るためのリハビリを行う施設です。医師が常駐し、理学療法士や作業療法士などの専門スタッフが揃っています。

入居一時金は不要で、月額費用は約8万〜20万円です。ただし在宅復帰を目的としているため、3ヶ月ごとに退所判定が行われ、長期入所は難しい傾向があります。

項目 内容
対象者 要介護1以上
入居一時金 0円
月額費用 約8万〜20万円
入居期間 3ヶ月ごとに退所判定(長期入所は難しい)
特徴 リハビリ重視・医療スタッフが充実

3. 介護医療院

介護医療院は、長期的な医療ケアが必要な方のための施設です。たん吸引や点滴、経管栄養など高度な医療処置に対応しており、看取りやターミナルケアも行います。

医療依存度が高く、一般の介護施設では対応が難しい方の受け皿となっています。

項目 内容
対象者 要介護1以上(医療依存度が高い方)
入居一時金 0円
月額費用 約8万〜20万円
特徴 医療ケアが充実・看取り対応

4. ケアハウス(軽費老人ホーム)

ケアハウスは、家庭での生活が困難な高齢者が、低コストで日常生活のサポートを受けられる施設です。「一般型」と「介護型」の2種類があります。

一般型は比較的元気な方が対象で、介護が必要になると退去を求められる場合があります。介護型は生活支援に加えて介護サービスも利用できます。

項目 内容
対象者 自立〜要介護(型による)
入居一時金 0〜数百万円
月額費用 約7万〜15万円
特徴 低コスト・一般型と介護型あり

5. 養護老人ホーム

養護老人ホームは、経済的な理由などにより自宅での生活が困難な65歳以上の方のための施設です。入居には市区町村による審査(措置)が必要です。

介護サービスの提供を主目的としていないため、介護が必要になった場合は別の施設への移動が求められることがあります。

項目 内容
対象者 経済的に困難な65歳以上の方
入居一時金 0円
月額費用 0〜約10万円
特徴 行政措置が必要・介護目的ではない

民間施設6種類の特徴と費用

続いて、民間施設の6種類を見ていきましょう。

1. 介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、施設のスタッフによる24時間体制の介護サービスが受けられる民間施設です。「特定施設入居者生活介護」の指定を受けており、介護保険の適用内で定額の介護サービスが利用できます。

公的施設よりも費用は高くなりますが、入居までの待機期間が短く、設備やサービスも充実しています。

項目 内容
対象者 要支援〜要介護
入居一時金 0〜数千万円(施設により大きく異なります)
月額費用 約15万〜35万円
特徴 24時間介護・待機が短い・設備充実

2. 住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、食事や見守りなどの生活支援サービスを提供する施設です。介護が必要になった場合は、外部の介護事業所と契約してサービスを利用します。

比較的自立度の高い方から要介護の方まで幅広く受け入れていますが、介護度が重くなると対応しきれない施設もあります。

項目 内容
対象者 自立〜要介護
入居一時金 0〜数千万円
月額費用 約10万〜30万円
特徴 外部の介護サービスを利用・自由度が高い

3. 健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームは、介護を必要としない元気な高齢者向けの施設です。スポーツジムや温泉、趣味活動などの設備が充実しています。

ただし、介護が必要になった場合は退去しなければならないケースが多く、施設数も全国的に非常に少ないのが現状です。

項目 内容
対象者 自立した高齢者
入居一時金 0〜数千万円
月額費用 約10万〜40万円
特徴 元気な方向け・設備が充実・数が少ない

4. サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅(通称「サ高住」)は、バリアフリー構造の賃貸住宅です。見守りサービスと生活相談がついており、比較的自立した生活ができる方に向いています。

一般の賃貸に近い感覚で暮らせる自由度の高さが魅力です。ただし、介護度が上がると対応が難しくなり、ほかの施設への住み替えが必要になることもあります。

項目 内容
対象者 自立〜軽度の要介護
入居一時金 敷金程度(家賃の2〜3ヶ月分)
月額費用 約10万〜25万円
特徴 賃貸型で自由度が高い・バリアフリー

5. グループホーム

グループホームは、認知症の高齢者が少人数(5〜9人)で共同生活を送る施設です。認知症ケアの専門スタッフが配置されており、家庭的な環境のなかで日常生活を支援してもらえます。

入居条件として、施設と同じ市区町村に住民票があることが求められる場合がほとんどです。

項目 内容
対象者 認知症と診断された要支援2以上の方
入居一時金 0〜数百万円
月額費用 約10万〜20万円
特徴 認知症ケア専門・少人数・家庭的

6. シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションは、高齢者向けの設備やサービスが付いた分譲マンションです。物件を購入するため資産として保有でき、売却や相続も可能です。

コンシェルジュサービスやレストラン、フィットネスなどの共用施設が充実している物件もあります。ただし、購入費用は数千万円以上と高額で、介護サービスは含まれていません。

項目 内容
対象者 自立した高齢者
購入費用 数千万〜数億円
月額費用 管理費等で約10万〜30万円
特徴 資産として保有可・高額・介護なし

全11種類の費用比較表

ここまでご紹介した11種類の施設を、費用面で一覧比較してみましょう。

施設の種類 運営 入居一時金 月額費用の目安 主な対象者
特別養護老人ホーム 公的 0円 9万〜15万円 要介護3以上
介護老人保健施設 公的 0円 8万〜20万円 要介護1以上
介護医療院 公的 0円 8万〜20万円 医療依存度が高い方
ケアハウス 公的 0〜数百万円 7万〜15万円 自立〜要介護
養護老人ホーム 公的 0円 0〜10万円 経済的に困難な方
介護付き有料老人ホーム 民間 0〜数千万円 15万〜35万円 要支援〜要介護
住宅型有料老人ホーム 民間 0〜数千万円 10万〜30万円 自立〜要介護
健康型有料老人ホーム 民間 0〜数千万円 10万〜40万円 自立
サ高住 民間 敷金程度 10万〜25万円 自立〜軽度介護
グループホーム 民間 0〜数百万円 10万〜20万円 認知症の方
シニア向け分譲マンション 民間 数千万〜数億円 10万〜30万円 自立

ポイント 上記の費用はあくまで目安です。地域や施設の設備によって大きく変わります。実際に検討する際は、必ず個別に見積もりを確認しましょう。なお、費用データは厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」および独立行政法人福祉医療機構(WAM)の調査報告書を参考にしています。

費用やサービス内容を自分だけで調べるのは大変です。無料の介護施設紹介サービスを使えば、予算や条件に合った施設をプロが提案してくれます。複数の施設を効率よく比較したい方は、活用を検討してみてください。

【フローチャート】あなたの親に合う介護施設はどれ?

「結局、うちの親にはどの施設が合うの?」と迷われる方も多いでしょう。以下の4つの質問に順番に答えることで、候補となる施設タイプが見えてきます。

STEP 1: 要介護度を確認する

まず、ご本人の要介護度を確認しましょう。

  • 要介護3以上 → STEP 2へ
  • 要介護1〜2 → STEP 3へ
  • 要支援、または自立 → STEP 4へ

STEP 2: 要介護3以上の場合

要介護度が高い方は、以下の質問で絞り込みます。

医療的なケアが日常的に必要ですか?

  • はい(たん吸引・点滴・経管栄養など)介護医療院がおすすめ
  • いいえ → 次の質問へ

費用をなるべく抑えたいですか?

  • はい特別養護老人ホーム(特養)がおすすめ(ただし入居待ちの可能性あり)
  • 待てない・すぐ入居したい介護付き有料老人ホームがおすすめ

STEP 3: 要介護1〜2の場合

中程度の介護が必要な方は、以下の質問で絞り込みます。

認知症の診断を受けていますか?

  • はいグループホームがおすすめ
  • いいえ → 次の質問へ

リハビリを重視したいですか?

  • はい(退院後など)介護老人保健施設(老健)がおすすめ(原則3ヶ月)
  • 長期的に暮らしたい住宅型有料老人ホーム または 介護付き有料老人ホームがおすすめ

STEP 4: 要支援・自立の場合

比較的お元気な方は、以下の質問で絞り込みます。

一人暮らしに不安がありますか?

  • 見守りがあれば安心サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)がおすすめ
  • 生活支援もほしい住宅型有料老人ホーム または ケアハウスがおすすめ
  • 元気で趣味を楽しみたい健康型有料老人ホーム または シニア向け分譲マンションがおすすめ

ポイント フローチャートはあくまで目安です。実際の施設選びでは、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談するのがおすすめです。ご本人の状態や家族の事情に合わせた、より具体的なアドバイスがもらえます。

「自分で調べるのは限界がある」と感じたら、介護施設の無料紹介サービスに相談するのも一つの方法です。希望する条件を伝えるだけで、複数の候補施設を提案してもらえます。

介護施設を選ぶときの7つのチェックポイント

施設の種類が絞れたら、次は具体的な施設の比較・検討に進みましょう。以下の7つのポイントをチェックすることで、良い施設を見分けやすくなります。

1. 費用の総額を把握する

入居一時金と月額費用だけでなく、食費・日用品・医療費・レクリエーション費など、実際にかかる「総額」を確認しましょう。施設によっては、月額費用以外にさまざまな追加費用が発生します。

入居後に「思ったより高かった」とならないよう、年間の総支払額をシミュレーションしておくことが大切です。

2. 立地・アクセスを確認する

ご家族が面会に通いやすい距離にあるかは重要なポイントです。自宅から遠い施設を選ぶと、面会の頻度が減り、ご本人の精神的な負担が増える場合があります。

また、緊急時にすぐ駆けつけられる距離かどうかも確認しておきましょう。

3. スタッフの質と人員体制を見る

介護付き有料老人ホームでは、入居者3人に対して介護スタッフ1人以上という「3:1」が国の最低基準です。これを上回る体制の施設であれば、より手厚い介護が期待できます。

見学時には、スタッフの表情や言葉遣い、入居者への接し方も注意深く観察しましょう。

4. 医療体制を確認する

看護師が24時間配置されているか、協力医療機関との連携はあるかを確認しましょう。夜間の急変時にどのような対応がされるかも重要なポイントです。

将来的に医療ニーズが高まる可能性を考えると、医療体制が充実した施設を選んでおくと安心です。

5. 退去条件を事前に確認する

介護度が上がったとき、認知症が進行したとき、長期入院したときに住み続けられるかどうかを事前に確認しておきましょう。入居時は問題なくても、状態の変化によって退去を求められるケースもあります。

6. 施設の雰囲気を自分の目で確かめる

入居者の表情は明るいか、施設内は清潔か、スタッフの対応は丁寧か。これらは、パンフレットやウェブサイトだけではわかりません。

必ず見学に行き、できれば体験入居も利用して、実際の生活環境を確認することをおすすめします。

7. 重要事項説明書を読み込む

重要事項説明書には、施設の運営方針・職員体制・サービス内容・料金体系など、重要な情報がまとめられています。小さな文字で書かれていて読みにくいことも多いですが、契約前に必ず目を通しておきましょう。

わからない点があれば、施設の担当者に遠慮なく質問してください。

よくある質問

Q. 介護施設と老人ホームの違いは何ですか?

A. 一般的に「老人ホーム」は高齢者が入居する施設の総称として使われることが多いです。一方「介護施設」は、介護サービスを提供する施設を指します。法律上の明確な区分はありますが、日常会話ではほぼ同じ意味で使われています。

Q. 費用が払えなくなったらどうなりますか?

A. まずは施設の相談員やケアマネジャーに相談しましょう。高額介護サービス費の制度や、特定入所者介護サービス費(補足給付)など、費用負担を軽減する公的制度があります。生活保護を受給しながら入居できる施設もあります。

Q. 入居を急いでいる場合、どの施設がすぐに入れますか?

A. 民間施設(介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サ高住など)は、空室があれば比較的すぐに入居できます。特養は待機期間が長い傾向にあるため、急いでいる場合は民間施設を中心に探すのが現実的です。

Q. 施設見学はどのように申し込めばいいですか?

A. 多くの施設は電話やウェブサイトから見学の申し込みができます。介護施設の紹介サービス(みんなの介護、LIFULL介護など)を利用すると、複数施設の見学日程をまとめて調整してもらえるので便利です。

Q. 途中で別の施設に移ることはできますか?

A. はい、可能です。ただし、入居一時金の返還条件は施設によって異なります。短期間での退去では全額返還されないこともあるため、入居前に返還条件をしっかり確認しておきましょう。

施設に入居する前に、在宅介護の食事でお困りではありませんか? 施設探しには時間がかかります。その間の在宅介護で、毎日の食事づくりが負担になっている方は、制限食対応の宅配弁当も選択肢のひとつです。専門医と管理栄養士がダブル監修した食事を電子レンジで温めるだけで用意できます。 Dr.つるかめキッチンのメニューを見る →

まとめ

介護施設は公的施設5種類・民間施設6種類の合計11種類があり、費用・対象者・サービス内容がそれぞれ異なります。

施設選びのポイントを整理すると、次の3つが大切です。

  • ご本人の状態を正確に把握する: 要介護度・認知症の有無・医療ニーズを確認
  • 費用の総額をシミュレーションする: 入居一時金だけでなく月々の総支払額を試算
  • 必ず見学・体験入居をする: 雰囲気やスタッフの対応は現地でしかわからない

「種類が多くてどれがいいかわからない」と感じる方は、まずは地域包括支援センター(全国約5,400ヶ所に設置)に相談してみてください。無料で専門スタッフに相談でき、お住まいの地域の施設情報も教えてもらえます。

また、複数の施設を効率よく比較したい場合は、無料の介護施設紹介サービスの活用もおすすめです。希望条件に合った施設をプロが提案してくれるため、施設探しの負担が大きく軽減されます。

大切なご家族が安心して暮らせる場所を見つけるために、この記事がお役に立てれば幸いです。焦らず、じっくりと比較検討して、後悔のない施設選びを進めていきましょう。


※ この記事は一般的な情報提供を目的としています。 個別の事情については、ケアマネジャーや地域包括支援センターなどの専門機関にご相談ください。

最終更新日: 2026年2月19日