【この記事の結論】 精進落としは1人あたり3,000〜8,000円の料理を用意し、喪主が開会・献杯・締めの3回挨拶します。

  • 費用と料理 — 1人5,000円前後の仕出し弁当や懐石料理が一般的、僧侶辞退時は御膳料5,000〜10,000円
  • 席順マナー — 僧侶が最上座、世話役・来賓が上座、喪主・遺族は末席(もてなす側のため)
  • 挨拶例文 — 開会・献杯・締めの3パターンの例文を掲載。いずれも1〜2分で短くまとめる

この記事の対象読者: 初めて喪主を務める方、精進落としの費用や挨拶を準備したい方

読んだら今日やること: 葬儀社に精進落としの料理プラン(1人5,000円前後)の見積もりを依頼しましょう

葬儀の後に行われる「精進落とし」。

初めて喪主を務める方は、「何を準備すればいいの?」「挨拶はどうすればいい?」と不安になることも多いでしょう。

この記事では、精進落としの意味やマナー、挨拶の例文、費用相場まで、初めての方でもわかりやすく解説します。


精進落としとは?意味と由来

精進落としとは、火葬後や繰り上げ初七日法要の後に行われる会食のことです。

本来の意味

もともと「精進落とし」は、故人が亡くなってから四十九日の忌中に肉や魚を断って精進料理を食べていた遺族が、忌明けに通常の食事に戻すことを意味していました。

「精進」とは仏教用語で、修行に励むことを指します。遺族も故人の冥福を祈り、四十九日間は精進料理で過ごすのが習わしでした。

現在の精進落とし

現代では、葬儀と初七日法要を同日に行う「繰り上げ初七日」が一般的になったため、火葬後の会食を精進落としと呼ぶようになりました。

精進落としには、主に次の3つの目的があります。

  1. 僧侶への感謝 — 読経や供養をしていただいたお礼
  2. 参列者へのねぎらい — 葬儀に来ていただいた方への感謝
  3. 故人を偲ぶ — 故人の思い出を語り合う場

精進落としと通夜振る舞いの違い

精進落としと通夜振る舞いは混同されがちですが、タイミングや内容が異なります。

項目 精進落とし 通夜振る舞い
タイミング 火葬後・初七日法要後 通夜の後
参加者 親族・僧侶・近しい方(10〜30名程度) 参列者全員(人数多め)
料理形式 個別のお膳(懐石・仕出し弁当) 大皿料理・オードブル
費用相場 3,000〜8,000円/人 2,000〜3,000円/人
所要時間 1〜2時間 30分〜1時間
席順 あり(上座・下座あり) 自由席が多い
お酒 あり(ビール・日本酒など) あり(控えめに)

通夜振る舞いは「故人への供養」の意味合いが強く、参列者全員に声をかけます。一方、精進落としはもてなしの場であり、喪主が感謝の気持ちを込めてお膳を用意します。

お通夜のマナーについて詳しく知りたい方は、「お通夜のマナー完全ガイド|持ち物チェックリストと服装」もご覧ください。


精進落としの流れ

精進落としは、一般的に次の流れで進みます。

1. 席への案内

あらかじめ決めた席順に従って、参列者を席に案内します。僧侶を最上座にお通しし、続いて世話役や来賓を案内します。

2. 喪主の開会挨拶(1〜2分)

全員が席に着いたら、喪主が起立して開会の挨拶をします。参列のお礼と、会食の案内を簡潔に伝えましょう。

3. 献杯(けんぱい)

挨拶の後、「献杯」の発声を行います。喪主自身が行うこともあれば、故人と親しかった方にお願いすることもあります。

4. 会食(1〜2時間)

献杯の後、会食が始まります。故人の思い出を語り合いながら、穏やかに過ごします。喪主は各テーブルを回り、参列者にお礼の言葉を伝えるのが一般的です。

5. 喪主の締めの挨拶(1〜2分)

会食が一段落したら、喪主が締めの挨拶をしてお開きにします。


席順のマナー

精進落としでは、席順(せきじゅん)をあらかじめ決めておくことが大切です。

席順の基本ルール

席の位置 座る人
最上座 僧侶
上座 世話役・会社関係者
中座 友人・知人
下座 親族
末席 遺族・喪主

喪主と遺族はもてなす側のため、末席に座ります。間違って上座に座らないよう注意しましょう。

僧侶が精進落としへの参加を辞退された場合は、世話役や来賓の方を最上座にお通しします。


喪主の挨拶例文【3パターン】

精進落としでは、喪主が開会・献杯・締めの3回、挨拶をします。いずれも1〜2分程度で短くまとめるのがポイントです。

開会の挨拶例文

本日はお忙しい中、〇〇(故人名)の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。おかげさまで、滞りなく葬儀を執り行うことができました。

ささやかではございますが、お食事の席をご用意いたしました。〇〇の思い出話などをお聞かせいただければ幸いです。どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。

献杯の挨拶例文

〇〇の冥福を祈りまして、献杯させていただきたいと存じます。

献杯。

注意: 「献杯」は静かに唱和し、グラスを高く掲げたり、グラス同士を合わせたりしません。拍手もしないのがマナーです。

締めの挨拶例文

本日は長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。皆さまのおかげで、〇〇もさぞかし喜んでいることと思います。

まだまだお話は尽きませんが、そろそろお時間となりましたので、これにてお開きとさせていただきます。今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。

挨拶のポイント

  • 短くまとめる(1〜2分。長くても3分以内)
  • 忌み言葉を避ける(「重ね重ね」「たびたび」「再び」など)
  • メモを見ても構わない(緊張する場面なので、メモを用意しておくと安心)
  • 感謝の気持ちを伝える(形式よりも気持ちが大切)

精進落としの費用相場と料理

精進落としにかかる費用を、項目別にまとめました。

費用の目安

項目 費用相場
料理(1人あたり) 3,000〜8,000円
飲み物(1人あたり) 1,000〜2,000円
御膳料(僧侶辞退時) 5,000〜10,000円
お車代(僧侶) 5,000〜10,000円

一般的には、1人あたり5,000円前後の仕出し弁当や懐石料理を用意することが多いです。

料理の選び方

精進落としの料理は、仕出し弁当懐石料理が一般的です。

  • 仕出し弁当: 3,000〜5,000円。会場の準備が簡単
  • 懐石料理: 5,000〜8,000円。格式高い印象

葬儀社を通じて手配できる場合がほとんどなので、葬儀の打ち合わせ時に相談しておくとスムーズです。

御膳料について

僧侶が精進落としへの参加を辞退された場合は、御膳料をお渡しします。

  • 金額: 5,000〜10,000円
  • 封筒: 白い無地の封筒に「御膳料」と書く
  • 渡し方: お布施・お車代と一緒にお渡しする

葬儀全体の費用について知りたい方は、「家族葬の費用と相場ガイド」も参考にしてください。


精進落としで気をつけたいマナー

献杯のマナー(乾杯との違い)

精進落としでは「乾杯」ではなく「献杯」を行います。

項目 献杯 乾杯
場面 弔事(葬儀・法要) 慶事(結婚式・祝賀会)
声の大きさ 静かに唱和する 元気よく発声する
グラスの位置 胸の高さ程度 高く掲げる
グラス同士 合わせない カチンと合わせる
拍手 しない する場合もある

参列者として気をつけること

  • 献杯の前に料理や飲み物に手をつけない
  • 故人の思い出話は、明るいエピソードも交えて構わない
  • 長居しすぎない(1〜2時間を目安に退席)
  • 帰る際は喪主にひと言お礼を伝える
  • 酔いすぎない(あくまで弔いの場)

喪主として気をつけること

  • 料理の数は多めに注文する(急な参加者に備えて)
  • 各テーブルを回り、参列者にお礼を伝える
  • 僧侶への御膳料・お車代を忘れずに準備する
  • お開きの時間を見計らい、だらだらと続けない

よくある質問

Q. 精進落としに参加しないのは失礼ですか?

やむを得ない事情がある場合は、辞退しても問題ありません。その際は、喪主に「申し訳ございませんが、都合によりお先に失礼いたします」とひと言伝えましょう。声をかけられた場合は、できるだけ少しでも参加するのがマナーです。

Q. 家族葬でも精進落としは必要ですか?

家族葬でも精進落としを行うことは一般的です。ただし、ごく少人数の場合は省略することも増えています。家族だけで外食に出かけたり、自宅で簡単な食事をとったりする形でも構いません。大切なのは、故人を偲ぶ時間を設けることです。

Q. 僧侶が精進落としを辞退した場合はどうすればいいですか?

僧侶が辞退された場合は、御膳料(5,000〜10,000円)を白い封筒に入れてお渡しします。表書きは「御膳料」とし、お布施やお車代と一緒にお渡しするのが一般的です。

Q. 精進落としの料理で避けるべきメニューはありますか?

現在の精進落としでは、特に避けるべきメニューはありません。かつては肉や魚を避ける精進料理が基本でしたが、現代では刺身や天ぷらなど一般的な和食が提供されることがほとんどです。ただし、祝い事を連想させる鯛の尾頭付き伊勢海老は避けるのが無難です。


この記事は一般的な情報提供を目的としています。地域や宗派によってマナーが異なる場合がありますので、不明な点は葬儀社や全日本冠婚葬祭互助協会にご相談ください。

最終更新日: 2026年2月22日

参考情報・出典