【この記事の結論】 弔辞は5ステップの構成で800〜1,200字にまとめ、3〜5分で読み上げるのが適切です。

  • 構成テンプレート — 「導入→訃報の気持ち→思い出エピソード→人柄と感謝→お別れの言葉」の5段階
  • 立場別例文5選 — 友人・会社同僚・上司恩師・孫・近親者それぞれのテンプレートを掲載
  • 忌み言葉と読み方マナー — 重ね言葉や直接的な死の表現を避け、遺族→祭壇の順に一礼して読む

この記事の対象読者: 初めて弔辞を依頼された方、書き方や当日の作法を確認したい方

読んだら今日やること: 故人との具体的なエピソードを1つ思い出し、構成テンプレートに当てはめて書き始めましょう

「弔辞を頼まれたけれど、何をどう書けばいいかわからない」——こうした不安を感じる方は少なくありません。

弔辞は人生でそう何度も経験するものではないため、書き方や読み方のマナーを知らないのは当然のことです。

この記事では、弔辞の書き方を5ステップの構成テンプレートで解説し、立場別の例文5選をご紹介します。忌み言葉の一覧や当日の読み方マナーまで網羅していますので、ぜひ参考にしてください。


弔辞とは?依頼されたときの基本知識

弔辞(ちょうじ)とは、葬儀・告別式で故人に贈るお別れの言葉のことです。故人と親しかった方が代表して、御霊前で読み上げます。

弔辞の基本情報

項目 内容
読む時間 3〜5分(1人あたり)
文字数の目安 800〜1,200字(400字詰め原稿用紙2〜3枚)
読む人数 1〜5名(葬儀の規模による)
依頼元 遺族または葬儀社から依頼される

弔辞を依頼されたら

弔辞は、故人と特に親しかった方に遺族から依頼されるのが一般的です。依頼を受けたら、以下の点を確認しましょう。

  • 葬儀の日時と場所
  • 宗教・宗派(使える表現が変わるため)
  • 他に弔辞を読む方がいるか(内容の重複を避けるため)
  • 持ち時間の目安

弔辞の依頼は、故人に対する最後の贈り物として大切な役割です。よほどの事情がない限り、快く引き受けるのがマナーとされています。


弔辞の書き方|5ステップの構成テンプレート

弔辞は以下の5ステップで構成すると、自然な流れの文章になります。

ステップ1: 故人への呼びかけ(導入)

冒頭で故人に呼びかけます。フルネームでも、生前の呼び名(愛称)でもかまいません。

例文:
– 「○○さん、あまりにも突然のお別れに、今でも信じられない思いです」
– 「○○君、もう二度と君の笑顔に会えないと思うと、言葉になりません」

ステップ2: 訃報を聞いたときの気持ち

訃報を知ったときの驚きや悲しみを素直に述べます。

例文:
– 「ご逝去の知らせを受けたとき、一瞬、頭の中が真っ白になりました」
– 「あまりにも突然のことで、今もまだ現実を受け入れられずにいます」

ステップ3: 故人との思い出・エピソード

弔辞の中心となるパートです。具体的なエピソードを1〜2つ入れると、故人の人柄が伝わります。

ポイント:
– 参列者が「その人らしいね」と感じるエピソードを選ぶ
– 少人数にしか伝わらない個人的すぎる内容は避ける
– 故人を悪く言う内容や、遺族が不快に感じる話題は入れない

ステップ4: 故人の人柄・功績と感謝

故人がどのような方だったか、どのように周囲に影響を与えていたかを述べます。

例文:
– 「あなたはいつも周囲の人を気にかけ、困っている人がいれば率先して手を差し伸べる方でした」
– 「○○さんの明るい笑顔と温かい人柄に、どれほど多くの人が救われたことでしょう」

ステップ5: お別れの言葉(締め)

故人への最後の言葉を述べて締めくくります。日付と署名を忘れずに添えましょう。

例文:
– 「どうか安らかにお眠りください。今まで本当にありがとうございました」
– 「天国でもあなたらしく、笑顔で過ごしてください。心よりご冥福をお祈りいたします」

最後に「令和○年○月○日 ○○○○」と日付・署名を記します。


【立場別】弔辞の例文テンプレート5選

以下の例文はあくまでテンプレートです。ご自身の言葉に書き換えてご使用ください。

例文1: 友人への弔辞

○○さん、あなたがいなくなってしまったことが、今でも信じられません。

ご逝去の知らせを受けたとき、何かの間違いではないかと思いました。つい先日まで元気に語り合っていたのですから。

あなたと初めて出会ったのは、○年前の○○でのことでした。最初に声をかけてくれたのはあなたでしたね。それ以来、仕事のこと、家族のこと、将来のこと、何でも語り合える大切な友人になりました。

あなたはいつも前向きで、周囲の人を明るくする力を持っていました。落ち込んでいる私を「大丈夫だよ」と笑顔で励ましてくれたこと、今でも鮮やかに覚えています。

これからは、あなたに教えてもらったことを大切にしながら、一日一日を精一杯生きていきます。

どうか安らかにお眠りください。長い間、本当にありがとう。

令和○年○月○日 ○○○○

例文2: 会社の同僚・取引先への弔辞

○○さんのご逝去に際し、謹んで弔辞を申し上げます。

○○さんとは、○年にわたり同じ職場で仕事をしてまいりました。突然の訃報に、社員一同、深い悲しみに包まれております。

○○さんは、常に誠実で責任感の強い方でした。どんなに忙しいときでも、後輩の相談に丁寧に耳を傾け、的確なアドバイスをくださいました。その姿勢は、私たち後輩にとって大きな指針でした。

特に印象に残っているのは、○○プロジェクトのときのことです。困難な状況の中でも冷静に判断し、チーム全体を導いてくださいました。あのときの○○さんの姿を、私たちは決して忘れません。

○○さんから学んだことを胸に、これからも業務に励んでまいります。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

令和○年○月○日 ○○○○

例文3: 会社の上司・恩師への弔辞

○○先生のご逝去の報に接し、深い悲しみの中、弔辞を述べさせていただきます。

○○先生には、○年間にわたり公私ともに大変お世話になりました。先生のもとで学ばせていただいたことは、今の私の礎となっております。

先生はいつも「まずやってみなさい。失敗したらそこから学べばいい」とおっしゃっていました。その言葉に何度救われたことでしょうか。先生の温かくも厳しいご指導があったからこそ、今の自分があります。

先生から受け継いだ教えを、後輩たちにもしっかりと伝えてまいります。それが先生への恩返しだと信じております。

先生、長い間本当にありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りください。

令和○年○月○日 ○○○○

例文4: 孫から祖父母への弔辞

おじいちゃん(おばあちゃん)へ。

大好きなおじいちゃんがいなくなって、とても寂しいです。

小さい頃、おじいちゃんの家に遊びに行くのが何よりも楽しみでした。一緒に釣りに行ったこと、庭で野菜を育てたこと、夕食のときにたくさんお話をしてくれたこと、どれも大切な思い出です。

おじいちゃんはいつも優しくて、私が泣いているとそっと頭をなでてくれましたね。「大丈夫だよ」というおじいちゃんの声が、今も耳に残っています。

おじいちゃんに胸を張れるような大人になれるよう、これからも頑張ります。天国から見守っていてください。

今まで本当にありがとうございました。

令和○年○月○日 ○○○○

例文5: 近親者(兄弟・親族)への弔辞

○○兄さん(姉さん)、今日こうしてお別れの言葉を述べなければならないことが、本当に残念でなりません。

幼い頃から、いつも私のことを気にかけてくれましたね。進学のとき、就職のとき、結婚のとき、人生の節目には必ずあなたが側にいてくれました。

あなたは家族思いで、困っている人を放っておけない性格でした。ご家族のことを何よりも大切にし、どんなに忙しくても子どもたちとの時間を大切にしていた姿を、私は尊敬していました。

これからは、あなたが大切にしてきたご家族のことを、私たち親族みんなで見守っていきます。どうか安心してください。

心からご冥福をお祈りいたします。ありがとう、そしてさようなら。

令和○年○月○日 ○○○○

お通夜や葬儀全般のマナーについては、「お通夜のマナー・持ち物・服装ガイド」もあわせてご確認ください。


弔辞で避けるべき忌み言葉一覧

弔辞では、不幸の繰り返しや死を直接連想させる「忌み言葉」を使わないのがマナーです。

重ね言葉(不幸の繰り返しを連想させる)

使えない言葉 言い換え例
たびたび よく、しばしば→何度も
ますます さらに、一層
重ね重ね 加えて、あわせて
くれぐれも 十分に、どうか
いよいよ ついに、とうとう
返す返す 振り返ると
再び 改めて

直接的な表現の言い換え

使えない言葉 言い換え例
死ぬ、死亡 逝去する、旅立つ、永眠する
生きていた頃 ご生前、お元気な頃
急死 急逝(きゅうせい)
生存中 ご存命中

宗教別の注意点

宗教 避ける表現 適切な表現
仏教 (特になし) ご冥福をお祈りします
神道 冥福、成仏、供養 御霊のご平安をお祈りします
キリスト教 冥福、成仏 神のもとで安らかに

宗教がわからない場合は、「安らかにお眠りください」が宗教を問わず使える表現です。


弔辞の読み方マナーと当日の流れ

弔辞を読む手順

当日は以下の流れで弔辞を読みます。

順番 動作 ポイント
1 席を立ち、祭壇の前へ進む 落ち着いて歩く
2 遺族に一礼する 深くゆっくりとお辞儀
3 祭壇(遺影)に一礼する 故人に向かって
4 弔辞を上包みから取り出す 上包みは畳んで左手に持つ
5 弔辞を読み上げる 3〜5分、ゆっくりと
6 読み終えたら弔辞を包み直す
7 祭壇に弔辞を供える 表書きが遺影に向くように
8 遺影に一礼し、遺族に一礼して席に戻る

読み方のコツ

  • 速さ: 普段話すスピードの7〜8割程度でゆっくりと
  • 声量: 会場の後方まで届く大きさで、ただし叫ぶ必要はない
  • 目線: 原稿を読みつつ、ときどき遺影に目を向ける
  • 姿勢: 背筋を伸ばし、両手で弔辞を持つ

感極まったときの対処法

弔辞を読んでいる最中に涙が出てしまうのは、自然なことです。恥ずかしいことではありません。

  • 少し間を置いて、深呼吸してから続ける
  • 無理に泣きやもうとしなくてよい
  • どうしても続けられない場合は、「失礼いたしました」と一言添えて、残りを読み上げる

弔辞の用紙と包み方

用紙の種類

種類 格式 特徴
奉書紙(ほうしょがみ) 正式 和紙の一種。文房具店・仏具店で購入可能
巻紙 やや正式 長い巻物タイプ。フォーマルな印象
便箋 略式 白い無地の便箋でも可
市販の弔辞用紙セット 略式 上包みとセットになっている。手軽

書き方のルール

  • 縦書きが基本
  • 筆記具: 毛筆か筆ペン(ボールペンは避ける)
  • 墨の色: 薄墨ではなく、普通の黒墨(弔辞は事前に準備するため)
  • 最後に日付と署名を忘れずに記入

上包みの作法

弔辞は奉書紙や白い無地の紙で上包みし、表に「弔辞」と書きます。

包み方の手順は以下のとおりです。

  1. 弔辞を折りたたむ(奉書紙の場合は巻いてもよい)
  2. 上包み用の奉書紙を広げ、中央に弔辞を置く
  3. 右→左の順に折る(慶事とは逆)
  4. 上→下の順に折り込む
  5. 表面中央に「弔辞」と記入

法事の香典マナーについては、「法事の香典の金額相場と書き方」もご参照ください。


まとめ|弔辞は故人への最後の贈り物

弔辞の書き方のポイントをまとめます。

項目 ポイント
構成 導入→エピソード→人柄→感謝→お別れの5ステップ
文字数 800〜1,200字(原稿用紙2〜3枚)
時間 3〜5分でゆっくり読む
忌み言葉 重ね言葉・直接的な死の表現は避ける
用紙 奉書紙に毛筆・筆ペンで縦書き
読み方 遺族に一礼→祭壇に一礼→読み上げ→供える

弔辞は上手に話すことよりも、故人への感謝と想いを素直に伝えることが何より大切です。例文テンプレートを参考にしつつ、ご自身の言葉で故人との思い出を綴ってみてください。

葬儀に参列する際の持ち物や香典については、「香典の金額相場まとめ」もあわせてご覧ください。

不明な点は全日本葬祭業協同組合連合会や葬儀社にご相談ください。


この記事は一般的な情報提供を目的としています。弔辞の慣習は地域・宗派によって異なる場合があります。具体的なマナーは、葬儀社にご確認ください。

最終更新日: 2026年2月22日


よくある質問(FAQ)

Q. 弔辞の長さはどのくらいが適切ですか?

弔辞の適切な長さは、読む時間で3〜5分、文字数で800〜1,200字が目安です。 400字詰め原稿用紙で2〜3枚程度になります。短すぎると物足りなく、長すぎると参列者に負担をかけるため、3分前後を目標に仕上げるとよいでしょう。事前に声に出して読み、時間を計っておくことをおすすめします。

Q. 弔辞を依頼されたら断ってもいいですか?

よほどの事情がない限り、弔辞の依頼は快く引き受けるのがマナーです。 弔辞は遺族が「故人と最も親しかった方」に贈る大切な依頼です。ただし、体調不良やどうしても参列できない事情がある場合は、丁寧にお詫びを伝えて辞退しても問題ありません。代わりに弔電を送るなどの配慮をしましょう。

Q. 弔辞を読むとき、泣いてしまったらどうすればいいですか?

弔辞の最中に涙が出るのは自然なことで、恥ずかしいことではありません。 感極まったら、少し間を置いて深呼吸し、気持ちが落ち着いてから続けましょう。無理に泣きやむ必要はありません。どうしても続けられない場合は「失礼いたしました」と一言添えて、残りを読み上げれば大丈夫です。

Q. 弔辞の用紙はどこで購入できますか?

弔辞用の奉書紙は、文房具店・仏具店・百貨店の文具コーナーで購入できます。 最近はAmazonや楽天などの通販サイトでも「弔辞用紙セット」が販売されており、上包みと弔辞用紙がセットになった商品が便利です。急な場合は、白い無地の便箋でも代用できます。

参考情報・出典