【この記事の結論】 身辺整理は6つのカテゴリに分けて進めるのがコツで、まずは財布や引き出しなど小さな範囲から始めましょう。

  • 6カテゴリで整理 — 持ち物・お金・デジタル資産・人間関係・書類契約・住まいに分けて順番に進める
  • 「1年以上使っていない物は処分」が基本ルール — 迷ったら保留箱に入れ、半年後に再判断する方法も有効
  • 年代別の優先順位がある — 50代はデジタル資産、60代は財産整理、70代は家族と相談しながら進める

この記事の対象読者: 身辺整理を始めたいが何から手をつけるか迷っている方、終活の一環として身の回りを整理したい方

読んだら今日やること: 財布の中の不要なカードやレシートを整理して、身辺整理の第一歩を踏み出しましょう

身辺整理とは — 生前整理・断捨離との違い

身辺整理とは、身の回りの物や情報、人間関係などを見直して整理することです。終活の一環として行う方が増えています。

似た言葉に「生前整理」と「断捨離」がありますが、それぞれ少し意味が異なります。

用語 意味 範囲
身辺整理 身の回りの物・情報・人間関係を整理 物理的な物+人間関係+情報
生前整理 亡くなった後に備えて財産や持ち物を整理 身辺整理に加え、財産分与・遺言も含む
断捨離 不要な物を手放して執着から離れる 主に物理的な物に焦点

身辺整理は、断捨離よりも広い範囲を対象にし、生前整理よりも「今の暮らしを整える」ことに重きを置いています。

生前整理の進め方については「生前整理のやり方と進め方|完全ガイド」をご覧ください。

遺品整理と生前整理の違いについて詳しくは「遺品整理と生前整理の違いとは?」をご覧ください。


身辺整理を始める前に知っておきたい3つのこと

1. 完璧を目指さない

一度にすべてを片付けようとすると、挫折しやすくなります。「今日はこの引き出しだけ」など、小さな範囲から始めるのが長続きのコツです。

2. 捨てる基準を決めておく

物を手に取るたびに「どうしよう」と悩むと、時間がかかってしまいます。あらかじめ基準を決めておきましょう。

おすすめの基準:
1年以上使っていない物は原則処分
思い出の品は写真に撮ってから手放す
迷ったら「保留ボックス」に入れて、3か月後に再判断

3. 家族に相談してから進める

自分にとっては不要でも、家族が大切にしている物かもしれません。特に共有スペースの物は、家族と相談してから処分しましょう。


【カテゴリ別】身辺整理の具体的なやり方

身辺整理は、以下の6つのカテゴリに分けて進めます。一度にすべてをやる必要はありません。取り組みやすいカテゴリから始めましょう。

カテゴリ1: 持ち物の整理

最も目に見えてわかりやすい整理です。物の量が減ると、日々の暮らしが快適になります。

衣類

  • クローゼットの服を全部出す
  • 「よく着る」「たまに着る」「着ていない」の3つに分ける
  • 1年以上着ていない服は処分(寄付・リサイクルも検討)
  • 季節ごとに10〜15着を目安に残す

書籍・雑誌

  • 読み返す本だけを残す
  • 雑誌は基本的にすべて処分
  • 古書店やフリマアプリで売れるものは売る

趣味の品

  • 現在も楽しんでいる趣味の道具は残す
  • 以前の趣味で使わなくなった物は手放す
  • コレクション類は数を決めて厳選する

家電・家具

  • 使っていない家電はリサイクルへ
  • 大型家具は「この家に本当に必要か」を基準に判断

物の整理のコツについては「終活の断捨離|やり方とコツを解説」もご覧ください。


カテゴリ2: お金・財産の整理

お金まわりの整理は、自分のためだけでなく、万が一のとき家族が困らないためにも重要です。

やること

  • 使っていない銀行口座の解約: 残高が少ない休眠口座は解約する
  • 保険の見直し: 不要な保険を解約し、必要な保障を確認する
  • 負債の把握: 住宅ローン・カードローンなどの残高を一覧にする
  • 年金・退職金の確認: 受給額や受給開始時期を整理する
  • 財産目録の作成: すべての財産を一覧にまとめる

整理のポイント

銀行口座は2〜3つに集約するのが理想です。口座が多すぎると、残された家族が把握しきれず、「名義人死亡後の手続き」が大変になります。

保険は「今の自分に本当に必要か」を基準に見直しましょう。子どもが独立した後は、大きな死亡保障は不要かもしれません。


カテゴリ3: デジタル資産の整理

見落としがちですが、デジタル資産の整理は現代の身辺整理で最も重要な項目の一つです。

SNS・Webサービス

項目 やること
SNSアカウント 使っていないサービスは退会。使うサービスは死後の設定を確認
メールアカウント 不要なメルマガを解除。メインのアドレスを1〜2つに絞る
ネットバンキング ログイン情報を安全な方法で記録しておく
ネットショッピング 使わないサイトのアカウントを削除

サブスクリプション

月額・年額で支払っているサービスをすべて洗い出し、本当に必要なものだけを残します。

確認方法: クレジットカードの明細を過去3か月分チェックすると、忘れていたサブスクが見つかることがあります。

写真・動画データ

  • スマホやPCの写真を整理(重複削除、不要な写真の削除)
  • 大切な写真はクラウドと外付けHDDの2か所にバックアップ
  • 家族に見せたい写真は、アルバムやUSBにまとめておく

パスワード管理

  • パスワード管理アプリを使うか、紙のノートに記録する
  • エンディングノートには「パスワードの保管場所」だけを記載する
  • パスワードそのものをエンディングノートに書くのは避ける(紛失リスク)

カテゴリ4: 人間関係の整理

「人間関係の整理」というと冷たく聞こえるかもしれませんが、自分にとって本当に大切な人との時間を増やすための整理です。

やること

  • 年賀状リストの見直し: 惰性で送り続けている相手は「年賀状じまい」を検討
  • 連絡先の整理: スマホの連絡先で、もう連絡を取らない人のデータを整理
  • 会員・団体の退会: 活動していない会やサークルから退会する
  • お付き合いの見直し: 義理だけの関係を少しずつ減らす

大切にしたいこと

整理の目的は「関係を切る」ことではありません。限られた時間を、大切な人と過ごすために使うという前向きな考え方です。

疎遠になった旧友に、身辺整理をきっかけに連絡を取り直す方もいます。人間関係の整理について詳しくは「終活での人間関係の整理|やり方5ステップ」で解説しています。


カテゴリ5: 書類・契約の整理

紙の書類は意外と多く、放っておくとどんどん溜まります。

重要書類(保管するもの)

  • 不動産の権利証・登記事項証明書
  • 保険証券
  • 年金手帳・年金証書
  • 戸籍謄本・住民票
  • 遺言書
  • 確定申告の書類(過去7年分)

処分してよい書類

  • 古い取扱説明書(メーカーのWebサイトで閲覧できるものが多い)
  • 解約済みの保険証券
  • 古いレシート・明細書(確定申告に不要なもの)
  • 読まなくなったカタログ・パンフレット

不要な契約の解約

  • 使っていないクレジットカード
  • 不要な会費制サービス
  • 使っていない携帯電話の回線

生前整理のチェックリストは「生前整理チェックリスト|やるべきことを一覧で確認」もご覧ください。


カテゴリ6: 住まいの整理

最後に、住まい全体を見直します。日々の暮らしの安全性と快適さを高めることが目的です。

やること

  • 動線の確保: 廊下や階段に物を置かない(転倒防止)
  • 不用品の処分: 粗大ゴミの回収を自治体に依頼する
  • 収納の最適化: よく使う物は手の届く場所に配置する
  • 防災用品の確認: 非常持ち出し袋の中身を見直す

大型不用品の処分方法

方法 費用の目安 メリット
自治体の粗大ゴミ回収 200〜2,000円/点 最も安い
リサイクルショップ 無料〜(買取の場合はプラス) 価値のある物は買い取ってもらえる
不用品回収業者 5,000〜30,000円 まとめて一度に処分できる
フリマアプリ 手数料10%程度 高値で売れることがある

業者に依頼する場合は「遺品整理業者おすすめ比較」も参考にしてください。


【年代別】身辺整理の始め方

年代によって、身辺整理で重視するポイントが異なります。

50代 — 「デジタル」と「趣味の品」から

まだ体力も気力もある50代は、始めやすいところからスタートしましょう。

  • スマホのアプリやサブスクの整理
  • 趣味の道具の見直し(子育てが終わり、新しい趣味を始める時期でもある)
  • 保険の見直し(子どもの独立に合わせて保障を最適化)

60代 — 「お金」と「書類」の整理を本格化

退職前後の60代は、お金まわりの整理に最適な時期です。

  • 退職金の運用・管理方法を整理
  • 銀行口座の統廃合
  • 重要書類の一元管理
  • 財産目録の作成

70代以上 — 「家族と一緒に」進める

体力面を考慮し、無理のない範囲で家族と相談しながら進めましょう。

  • 家族に「何がどこにあるか」を伝える
  • エンディングノートへの記入
  • 住まいの安全対策(手すりの設置、段差解消など)
  • 大型家具や不用品の処分(業者の利用を検討)

身辺整理チェックリスト

進捗を確認できるよう、チェックリストをまとめました。

持ち物

  • 衣類の選別・処分
  • 書籍・雑誌の処分
  • 趣味の品の整理
  • 不要な家電・家具の処分

お金・財産

  • 休眠口座の解約
  • 保険の見直し
  • 負債の把握
  • 財産目録の作成

デジタル資産

  • 使わないSNSアカウントの退会
  • サブスクリプションの見直し
  • 写真・動画のバックアップ
  • パスワードの整理と記録

人間関係

  • 年賀状リストの見直し
  • 連絡先の整理
  • 不要な会員・団体の退会

書類・契約

  • 重要書類の一元管理
  • 不要な書類の処分
  • 使わないクレジットカードの解約

住まい

  • 動線の確保(転倒防止)
  • 不用品の処分
  • 収納の見直し

よくある質問(FAQ)

Q. 身辺整理は何歳から始めるべきですか?

何歳からでも始められますが、50代から少しずつ取りかかるのがおすすめです。体力と判断力がしっかりしているうちに始めると、焦らずじっくり進められます。「終活は早すぎることはない」とよく言われますが、まさにその通りで、元気なうちに始めるのが理想です。

Q. 身辺整理と生前整理はどう違いますか?

身辺整理は「今の暮らしを整える」ことが主な目的です。一方、生前整理はそれに加えて「亡くなった後に備える」ことも含みます。生前整理では遺言書の作成や財産分与の計画なども対象になりますが、身辺整理はもう少しカジュアルに、日々の暮らしをすっきりさせることに焦点を当てています。

Q. 捨てられない物はどうすればいいですか?

無理に捨てる必要はありません。「保留ボックス」を用意して、迷った物はそこに入れましょう。3か月〜半年後に見直して、それでも使わなければ処分を検討します。思い出の品は写真に撮ってからお別れすると、気持ちの区切りがつきやすくなります。

Q. 大量の不用品を処分するにはどうすればいいですか?

量が多い場合は不用品回収業者の利用が便利です。費用は軽トラック1台分で約15,000〜30,000円が相場です。まだ使える物はリサイクルショップやフリマアプリでの売却も検討しましょう。自治体の粗大ゴミ回収は最も安いですが、1点ずつ申し込む手間がかかります。

Q. デジタル資産の整理で最低限やるべきことは何ですか?

最低限やるべきことは3つです。まず、サブスクリプションの一覧を作成し不要なものを解約すること。次に、ネットバンキングなどの重要なログイン情報を安全な方法で記録すること。最後に、スマホやPCのロック解除方法を信頼できる家族に伝えておくことです。


この記事は一般的な情報提供を目的としています。身辺整理に関するご相談は、各専門業者にお問い合わせください。

最終更新日: 2026年2月23日

参考情報・出典