【この記事の結論】 直葬(火葬式)の費用相場は20万〜40万円で、一般葬の約4分の1〜5分の1に抑えられます。
- 費用相場 — 20万〜40万円(火葬料・搬送費・安置費・棺代等を含む)
- メリット — 費用大幅削減・遺族の負担軽減・短期間で完了
- デメリット — お別れ時間が短い・親族の反対・菩提寺トラブルのリスク
この記事の対象読者: 直葬を検討中の方、葬儀費用を抑えたい方、事前に葬儀の選択肢を比較したい方
読んだら今日やること: 地元の葬儀社2〜3社に直葬プランの見積もりを依頼する
「直葬にすると費用はどれくらいかかるのだろう…」「メリットやデメリットも知っておきたい」と思っていませんか。
直葬(火葬式)は、お通夜や告別式を行わず火葬のみでお見送りする葬儀の形です。近年は約10人に1人が直葬を選んでおり、注目度が高まっています。
この記事では、直葬の費用相場と内訳、メリット・デメリット、そして後悔しないためのチェックポイントまでわかりやすく解説します。ぜひ最後まで読んで、ご自身やご家族に合った選択の参考にしてください。
直葬以外の葬儀形式も含めて費用を比較したい方は、家族葬のこれからで無料の資料請求をしておくと検討がスムーズです。
直葬(火葬式)とは?基本をわかりやすく解説
まず、直葬とはどのような葬儀の形なのかを確認しましょう。
直葬の定義と特徴
直葬とは、お通夜や告別式といった儀式を行わず、火葬のみでお見送りする葬儀の形式です。「火葬式」とも呼ばれます。
一般的な葬儀では、お通夜・告別式・火葬という流れで2日間かけて行いますが、直葬ではこの流れを大幅に簡略化します。ご遺族や親しい方のみで火葬場に集まり、お別れの時間を過ごした後に火葬を行います。
なお、「墓地、埋葬等に関する法律」(通称: 墓埋法)により死後24時間以内の火葬は禁止されているため、直葬であっても安置の時間は必要です。
直葬を選ぶ人が増えている背景
鎌倉新書が実施した全国調査によると、直葬・火葬式を選んだ方の割合は以下のように推移しています。
| 調査年 | 直葬の割合 |
|---|---|
| 2016年 | 5.9% |
| 2020年 | 4.9% |
| 2022年 | 11.4% |
| 2024年 | 9.6% |
2022年にはコロナ禍の影響で1割を超え、2024年も約10%と高い水準を維持しています。
直葬が増えている背景には、以下のような社会的な変化があります。
- 高齢化にともない、故人の交友関係が縮小している
- 核家族化や都市部への人口集中で、地域のつながりが薄れている
- 葬儀の費用負担を減らしたいというニーズが高まっている
- 「形式にとらわれず、自分らしいお別れをしたい」という価値観が広がっている
直葬の費用相場と内訳
直葬を検討するうえで、もっとも気になるのが費用ではないでしょうか。ここでは具体的な金額を項目別にご紹介します。
直葬にかかる費用の相場は20万〜40万円
直葬の費用相場は、一般的に20万〜40万円が目安です。
2024年の全国調査では、直葬の平均費用は約42.8万円というデータもありますが、もっとも多い価格帯は20万〜40万円となっています。
費用に幅が出る理由は、以下のとおりです。
- 公営火葬場か民営火葬場かで火葬料が大きく変わる
- 安置の日数(ドライアイスの日数)で費用が変動する
- 棺や骨壺のグレードによっても差がある
- 搬送距離によって搬送費が異なる
葬儀社のセットプランでは10万円台のものもありますが、最低限の内容しか含まれていないことが多く、オプションを追加すると20万〜30万円以上になるケースもあります。見積もりの際は総額をしっかり確認しましょう。
費用の内訳を項目別に解説
直葬にかかる費用の内訳を表にまとめました。
| 項目 | 費用の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 火葬料 | 無料〜10万円 | 公営は無料〜数万円、民営は数万〜10万円 |
| 搬送費(寝台車・霊柩車) | 1.5万〜3万円 | 移動距離に応じた料金 |
| 安置費用 | 1万〜2万円/日 | 安置日数で変動 |
| ドライアイス | 1万〜2万円/日 | 安置日数分が必要 |
| 棺代 | 5万〜8万円 | グレードにより変動 |
| 骨壺代 | 5千〜1万円 | デザインにより変動 |
| 人件費(葬儀社スタッフ) | 5万〜10万円 | 搬送・手続き代行など |
たとえば、公営火葬場を利用し安置が1日の場合は20万円前後、民営火葬場で安置が2日以上になると30万〜40万円程度が目安になります。
他の葬儀形式との費用比較
直葬の費用を他の葬儀形式と比較すると、その差は一目瞭然です。
| 葬儀の形式 | 平均費用 | 直葬との差額 |
|---|---|---|
| 一般葬 | 約161万円 | 約120万円〜 |
| 家族葬 | 約106万円 | 約65万円〜 |
| 一日葬 | 約88万円 | 約47万円〜 |
| 直葬(火葬式) | 約20万〜40万円 | — |
直葬は、一般葬と比べて約4分の1〜5分の1の費用で済むことがわかります。費用面の負担を大きく抑えられるのが最大の特徴です。
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直葬の5つのメリット
直葬にはどのようなメリットがあるのでしょうか。主な5つのメリットを解説します。
葬儀費用を大幅に抑えられる
直葬の最大のメリットは、葬儀費用を大幅に抑えられることです。
お通夜や告別式を行わないため、祭壇の費用、会場使用料、飲食代、返礼品代などがかかりません。一般葬では150万円以上かかるところを、直葬なら20万〜40万円程度に抑えられます。
「経済的に余裕がない」「故人が生前から費用をかけないでほしいと言っていた」という場合に、直葬は現実的な選択肢となります。葬儀費用が払えないときの対処法もあわせてご確認ください。
遺族の身体的・精神的な負担が少ない
一般的な葬儀では、参列者の対応、受付の準備、通夜振る舞いの手配など、ご遺族にかかる負担は少なくありません。
直葬であれば、こうした準備や対応のほとんどが不要です。少人数で静かにお別れできるため、大切な方を亡くした悲しみの中でも心身の負担を軽くできます。
特にご高齢のご遺族にとっては、体力面での負担軽減は大きなメリットです。
短期間で葬儀が完了する
一般葬では準備から葬儀まで2〜3日かかることが一般的ですが、直葬は安置を含めても1〜2日で完了します。
火葬場の予約も、儀式がない分スケジュールの自由度が高く、比較的早く予約が取れるケースが多いです。首都圏のように火葬場が混みやすい地域では、これは見逃せないメリットです。
宗教にとらわれない自由なお別れができる
直葬では宗教的な儀式を行わないのが基本です。そのため、出棺までの過ごし方はご遺族の自由になります。
故人が好きだった音楽を流す、思い出の品を棺に入れる、家族だけで語り合うなど、形式にとらわれないお別れが可能です。
「宗教にこだわりがない」「故人らしいお見送りをしたい」という方には魅力的な選択肢です。
参列者への対応が不要
直葬はご遺族や親しい方のみで行うため、広く参列者を招く必要がありません。
案内状の作成、受付の手配、香典の管理と返礼品の手配といった対応が不要になり、準備の手間を大幅に減らせます。
直葬の6つのデメリット・注意点
直葬にはメリットがある一方で、知っておくべきデメリットや注意点もあります。後悔しないためにも、事前にしっかり確認しておきましょう。
お別れの時間が短い
直葬で最も多い後悔の声が「お別れの時間が短かった」というものです。
火葬場でのお別れの時間は5分〜10分程度が一般的で、「もっとゆっくりお別れしたかった」と感じる方がいらっしゃいます。
葬儀社によっては、お別れの時間を30分〜1時間に延長できるプランもあります。事前に確認しておくと安心です。
親族から反対されることがある
「お通夜も告別式もしないなんてかわいそう」「きちんと見送ってあげるべき」と、親族から反対される場合があります。
特にご年配の方は、伝統的な葬儀の形を大切にされていることが多いです。直葬を選ぶ理由を丁寧に説明し、事前に理解を得ておくことが大切です。
菩提寺とトラブルになる可能性がある
菩提寺(ぼだいじ)がある場合、直葬を選ぶことでトラブルになることがあります。
お寺によっては、葬儀を行うことをお墓の使用条件としている場合があり、直葬で火葬した場合はそのお寺のお墓に納骨できないケースもあるのです。
菩提寺がある方は、必ず事前に住職と相談しておきましょう。
葬儀後に弔問客が続く場合がある
直葬では訃報をお知らせする範囲が限られるため、後日、故人の逝去を知った方が自宅に弔問に訪れることがあります。
そのたびに対応する必要があり、香典をいただいた場合はお返しも必要になります。結果的に、葬儀を行った場合よりも手間や費用がかさむケースもあります。
葬祭費が支給されない自治体がある
国民健康保険の加入者が亡くなった場合、自治体から「葬祭費」(3万〜7万円程度)が支給される制度があります。
しかし、直葬の場合は自治体によって対応が異なります。
- 支給される自治体: 火葬のみでも申請可能としている自治体もあります
- 支給されない自治体: 「火葬のみは葬祭に該当しない」として不支給とする自治体もあります
事前にお住まいの自治体の窓口で、直葬でも葬祭費が支給されるかどうかを確認しておくことをおすすめします。
なお、社会保険(健康保険組合・協会けんぽ)の「埋葬料」は、葬儀の有無に関わらず上限5万円が支給されるのが一般的です。
後悔や罪悪感を感じる人もいる
全国調査によると、直葬を選んだ方のうち「後悔していることはない」と回答した割合は約39%にとどまっています。一般葬や家族葬では過半数が「後悔なし」と回答しているのと比べると、低い数字です。
「もう少しきちんとお別れすればよかった」「周囲に申し訳ない気持ちになった」という声があります。
直葬を選ぶ際は、メリットとデメリットの両方をよく理解したうえで判断することが大切です。
直葬の流れ|臨終から骨上げまでの手順
直葬の全体の流れを9つのステップで解説します。
全体の流れ(9ステップ)
-
臨終・死亡診断書の受け取り 医師から死亡の確認を受け、死亡診断書を受け取ります。
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葬儀社への連絡 葬儀社に連絡すると、寝台車でお迎えに来てもらえます。
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遺体の安置 自宅または葬儀社の安置所に安置します。法律で死後24時間は火葬ができないため、この間がお別れの時間になります。
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役所への届出 死亡届を提出し、火葬許可証を受け取ります。多くの場合、葬儀社が代行してくれます。
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葬儀社との打ち合わせ 火葬日時や棺、骨壺などを決めます。
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納棺 ご遺体を棺に納めます。希望があれば、思い出の品や花を入れることもできます。
-
出棺・火葬場へ移動 霊柩車で火葬場へ向かいます。
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火葬・最後のお別れ 火葬場でお別れの時間を過ごし、火葬となります。希望があれば、炉前で僧侶にお経をあげてもらうことも可能です。
-
骨上げ(収骨) 火葬後、ご遺骨を骨壺に納めて終了です。埋葬許可証を受け取ります。
直葬にかかる日数と時間の目安
- 全体の期間: 1〜2日(安置の日数により変動)
- 火葬当日の所要時間: 約2〜3時間
安置期間は、死後24時間以上が必要です。火葬場の予約状況によっては、安置が数日間になることもあります。特に首都圏の冬季(12月〜2月)は火葬場が混み合う傾向があります。
直葬で後悔しないための5つのチェックポイント
直葬を選んだ後に「こうしておけばよかった」と後悔しないために、事前に確認しておきたい5つのポイントをまとめました。
家族・親族と事前に話し合う
直葬にすることを決めたら、家族や親族には早めに伝えて理解を得ておきましょう。
「なぜ直葬を選ぶのか」「故人の意思はどうだったか」を丁寧に説明し、全員が納得できる形を見つけることが大切です。事後報告になると、関係がこじれてしまう場合があります。
菩提寺に相談しておく
菩提寺がある場合は、直葬にする旨を必ず事前に相談してください。
お寺によっては、戒名をいただけなかったり、納骨を断られたりすることがあります。菩提寺の理解を得たうえで進めることで、後のトラブルを防げます。
複数の葬儀社から見積もりを取る
直葬のプラン内容や費用は葬儀社によって大きく異なります。
最低でも2〜3社から見積もりを取り、以下のポイントを比較しましょう。
- セットプランに含まれる内容
- 追加費用(安置延長、ドライアイス追加など)
- スタッフの対応や説明の丁寧さ
お別れの時間を確保できるプランを選ぶ
直葬で多い後悔は「お別れの時間が短すぎた」というものです。
葬儀社に依頼する際は、お別れの時間をどの程度確保できるかを事前に確認してください。安置所での面会が可能か、火葬前にお別れの時間を延長できるかなど、具体的に聞いておくと安心です。
葬祭費の支給条件を自治体に確認する
国民健康保険の葬祭費は、自治体によって直葬での支給可否が異なります。
故人がお住まいだった自治体の窓口に「火葬のみの場合でも葬祭費は支給されますか」と事前に確認しておけば、想定外の出費を防げます。
直葬に関するよくある質問
Q. 直葬の費用は誰が負担するの?
A. 一般的には、喪主(葬儀を取りまとめる方)が負担するケースが多いです。ただし、兄弟姉妹や親族で分担することもあります。事前に家族で話し合っておくとスムーズです。
Q. 直葬でもお経をあげてもらえる?
A. はい、可能です。火葬場の炉前で僧侶にお経をあげてもらう「炉前読経」(ろぜんどきょう)を依頼できます。お布施の目安は5千円〜5万円程度ですが、宗派やお寺との関係性によって異なります。事前に葬儀社や僧侶に確認しておきましょう。
Q. 直葬で香典は必要?
A. 直葬は少人数で行うため、香典を辞退するケースが多いです。ただし、参列者から香典を受け取った場合は、後日お返し(香典返し)をするのがマナーです。香典の相場と金額の目安も参考にしてください。
Q. 直葬でも葬祭費は受け取れる?
A. 自治体によって対応が異なります。火葬のみでも支給される自治体と、「葬祭に該当しない」として支給されない自治体があります。事前にお住まいの自治体に確認することをおすすめします。なお、社会保険の埋葬料(上限5万円)は、葬儀の有無に関わらず支給されるのが一般的です。
直葬以外の選択肢も検討してみませんか
費用を抑えつつ、きちんとしたお別れの場を設けたい方は、家族葬や一日葬も選択肢に入れて比較検討しましょう。
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まとめ
この記事では、直葬(火葬式)の費用、メリット・デメリット、流れ、そして後悔しないためのチェックポイントを解説しました。
ポイントをまとめると以下のとおりです。
- 直葬の費用相場は20万〜40万円で、一般葬と比べて約4分の1〜5分の1
- メリットは費用の大幅な軽減、遺族の負担の少なさ、短期間で完了すること
- デメリットはお別れの時間の短さ、親族の理解が得にくい場合があること、菩提寺とのトラブルリスクなど
- 後悔しないためには、家族との事前相談、菩提寺への確認、複数社からの見積もり取得が大切
直葬は費用を抑えつつ、故人を静かにお見送りできる葬儀の形です。ただし、メリットだけでなくデメリットもしっかり理解したうえで選ぶことが、後悔のないお別れにつながります。
葬儀の形は直葬だけではありません。家族葬の費用相場や一日葬の費用とメリット・デメリットも比較しながら、ご自身やご家族に合った葬儀の形を選びましょう。すべての葬儀形式を一覧で比較したい方は「葬儀の種類を比較」もご覧ください。火葬の費用や当日の流れについては「火葬の費用相場と当日の流れ」で詳しく解説しています。終活をいつから始めるかを考えることも、後悔のない準備につながります。
この記事が、大切な方のお見送りを考えるうえで、少しでもお役に立てれば幸いです。
※ この記事は一般的な情報提供を目的としています。 個別の事情については、専門家(葬儀社・弁護士・税理士など)にご相談ください。
参考情報 – 鎌倉新書「第6回 お葬式に関する全国調査」(2024年) – 厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」
最終更新日: 2026年2月18日
