「香典袋はどれを選べばいいの?」「表書きや中袋の書き方がわからない」。突然の訃報で香典を用意する際、迷う方は多いのではないでしょうか。

実は香典袋には金額に応じた「格式」があり、包む金額に合った袋を選ぶ必要があります。また、宗教によって表書きも異なります。

この記事では、香典袋の選び方と書き方を金額別・宗教別にわかりやすく解説します。一覧表つきですぐに確認できますので、ぜひ参考にしてください。

【この記事の結論】 香典袋は包む金額に合わせて5段階から選び、表書きは宗教別に6パターンを使い分けます。

  • 金額別の選び方 — 5,000円以下は印刷タイプ、1〜3万円は白黒水引、3万円以上は双銀水引
  • 表書きの基本 — 仏式は「御霊前」、浄土真宗は「御仏前」、宗教不明なら「御霊前」が無難
  • 薄墨のマナー — 通夜・葬儀は薄墨、四十九日以降は濃墨。中袋は旧字体の漢数字で金額を記入

この記事の対象読者: 香典袋の種類や書き方がわからない方、宗教別の選び方を確認したい方

読んだら今日やること: 薄墨の筆ペンと白黒水引の香典袋を1セット購入しておく

香典袋は金額で選ぶ|5段階の使い分け

香典袋は包む金額に合わせて選ぶのがマナーです。金額が大きいほど格式の高い袋を使います。

包む金額 香典袋の種類 水引
5,000円以下 水引が印刷された簡易タイプ 印刷(白黒)
1万〜2万円 白黒の水引がついた香典袋 白黒の結び切り
3万〜5万円 白黒または双銀の水引がついた香典袋 白黒 or 双銀の結び切り
5万〜10万円 双銀の水引がついた中金封 双銀の結び切り
10万円以上 双銀の水引がついた大金封 双銀の結び切り

少額なのに豪華すぎる袋を使うのはマナー違反です。 たとえば5,000円を包むのに双銀の大きな香典袋を使うと、受け取る側が戸惑います。金額と袋の格式を合わせることが大切です。

香典の金額の目安については「香典の相場と金額」をご覧ください。

宗教別の香典袋の選び方

宗教によって使う香典袋と表書きが異なります。

仏式(御霊前・御仏前・御香典)

仏式の葬儀では以下のように使い分けます。

シーン 表書き 備考
通夜・葬儀 御霊前(ごれいぜん) 最も一般的
通夜・葬儀 御香典(ごこうでん) 御霊前と同様に使える
四十九日以降の法要 御仏前(ごぶつぜん) 成仏後は「仏」を使う

注意点: 浄土真宗では「霊」の概念がないため、通夜・葬儀の段階から「御仏前」を使います。相手の宗派がわからない場合は「御霊前」を選べば問題ありません。

神道(御玉串料・御榊料)

神道の葬儀(神葬祭)では以下の表書きを使います。

表書き 読み方
御玉串料 おたまぐしりょう
御榊料 おさかきりょう
御神前 ごしんぜん

蓮の花が印刷された香典袋は仏式専用です。神道では無地の香典袋を選びましょう。

キリスト教(御花料)

宗派 表書き
カトリック 御花料、御ミサ料
プロテスタント 御花料、献花料

キリスト教では十字架や百合の花が印刷された香典袋を使います。白封筒でも構いません。

宗教がわからない場合

「御霊前」と書かれた白黒の水引の香典袋を選びましょう。 「御霊前」は仏式・神道・キリスト教のいずれでも使える最も無難な表書きです(参考:全日本葬祭業協同組合連合会)。ただし浄土真宗を除きます。

宗教別の早見表

宗教 表書き 香典袋の特徴
仏式(通夜・葬儀) 御霊前、御香典 蓮の花あり/なし、どちらもOK
仏式(四十九日以降) 御仏前 蓮の花あり/なし
浄土真宗 御仏前 蓮の花あり/なし
神道 御玉串料、御榊料 無地(蓮の花なし)
キリスト教 御花料 十字架・百合の花、または白封筒
宗教不明 御霊前 無地の白黒水引

水引の種類と選び方

香典袋の水引にも種類があります。弔事にふさわしい水引を選びましょう。

結び切りとあわじ結び

弔事では「結び切り」または「あわじ結び」の水引を使います。

結び方 特徴 意味
結び切り 固く結ばれてほどけない 不幸が二度と繰り返さないように
あわじ結び 結び切りの変形。複雑な形 同上。関西で多く使われる
蝶結び(NG) 何度でも結び直せる 「不幸が繰り返す」を連想するためNG

水引の色の使い分け

色 用途
白黒 通夜・葬儀(最も一般的)
双銀(銀×銀) 高額の香典(3万円以上)や格式の高い場面
黄白 関西の法事(四十九日以降)で使用

香典袋の書き方|表書き・名前の正しいマナー

香典袋の書き方を順番に解説します。

表書きの書き方(薄墨で書く理由)

表書きは香典袋の上段(水引の上)に書きます。

通夜・葬儀では「薄墨」で書くのがマナーです。 薄墨には「悲しみの涙で墨が薄まってしまった」「急な訃報で墨を十分に磨る時間がなかった」という意味が込められています。

コンビニや文房具店で「薄墨の筆ペン」が売られていますので、1本用意しておくと便利です。

名前の書き方(個人・連名・会社名入り)

名前は香典袋の下段(水引の下)に書きます。

パターン 書き方
個人 中央にフルネームを書く
夫婦連名 右に夫の名前、左に妻の名前(名字は夫のみ)
連名(2〜3名) 右から目上の人の名前を書き、左に向かって並べる
連名(4名以上) 代表者名を中央に書き、左下に「外一同」。別紙に全員の名前を同封
会社名入り 右に会社名(小さく)、左に名前(大きく)

薄墨と濃墨の使い分け

シーン 墨
通夜・葬儀 薄墨
四十九日以降の法要 濃墨(通常の黒)
初盆・一周忌以降 濃墨

四十九日以降は「前もって準備できる」ため、濃墨に戻すのがマナーです。

中袋の書き方|金額・住所・名前

中袋(内袋)への記入方法を解説します。

金額の書き方(旧字体の漢数字一覧表)

中袋の表面(中央)に金額を書きます。改ざん防止のため、旧字体の漢数字を使うのがマナーです。

金額 旧字体の書き方
3,000円 金 参仟圓也
5,000円 金 伍仟圓也
10,000円 金 壱萬圓也
20,000円 金 弐萬圓也
30,000円 金 参萬圓也
50,000円 金 伍萬圓也
100,000円 金 壱拾萬圓也

「也(なり)」は付けても付けなくてもどちらでも構いません。

住所・名前の書き方

中袋の裏面の左下に、住所とフルネームを書きます。これは遺族が香典返しを送る際に必要な情報です。忘れずに記入しましょう。

中袋がない場合の対処法

水引が印刷された簡易タイプの香典袋には中袋がついていないことがあります。その場合は以下の方法で対処します。

  • 裏面に直接書く: 左下に金額・住所・名前を書く
  • 別の白い封筒を中袋として使う: 100均や文房具店で購入

お札の入れ方と向き

お札の入れ方にもマナーがあります。

新札は避ける

通夜・葬儀では新札を使わないのがマナーです。新札を使うと「不幸を予想して前もって準備していた」と受け取られることがあります。

新札しかない場合は、一度折り目をつけてから入れましょう。

お札の向き

ポイント 内容
肖像画の向き 裏側(肖像画が見えないように)にして入れる
お札の方向 全部同じ向きに揃える
枚数 偶数枚は避ける(「割り切れる」=縁が切れる)

家族葬でも香典のマナーは同じです。「家族葬の費用相場」もあわせてご覧ください。

よくある間違い・NGまとめ

香典袋にまつわるよくある間違いをまとめました。

カテゴリ NG 正しいマナー
香典袋の選び方 少額に豪華な袋 金額に合った格式の袋を選ぶ
表書き 浄土真宗に「御霊前」 浄土真宗は最初から「御仏前」
表書き 神道に蓮の花入りの袋 神道には無地の袋を使う
墨 四十九日以降も薄墨 四十九日以降は濃墨に戻す
水引 蝶結び(花結び) 結び切りまたはあわじ結び
中袋 金額を算用数字で書く 旧字体の漢数字で書く
お札 新札をそのまま入れる 折り目をつけてから入れる
お札の向き 肖像画を表にする 肖像画を裏にして入れる

葬儀の服装マナーについては「女性の喪服の選び方とマナー」もご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 御霊前と御仏前の違いは何ですか?

「御霊前」は故人の霊前にお供えする意味で、通夜や葬儀で使います。「御仏前」は四十九日を過ぎて故人が成仏した後に使う表書きです。ただし浄土真宗では「霊」の概念がなく、亡くなったらすぐに成仏するとされるため、最初から「御仏前」を使います。

Q. 薄墨の筆ペンがない場合はどうすればよいですか?

コンビニや100均で「薄墨筆ペン」が購入できます。どうしても手に入らない場合は、通常の黒い筆ペンやサインペンを使っても構いません。マナー上は薄墨が理想ですが、心を込めて書くことのほうが大切です。ボールペンは避けましょう。

Q. 中袋に金額を書かなくてもよいですか?

金額は必ず書きましょう。遺族が香典を整理する際に、金額が書かれていないと確認作業が大変になります。また、住所と名前も忘れずに記入してください。これは香典返しを送る際に必要な情報です。

Q. 香典袋はコンビニで買えますか?

はい、コンビニで購入できます。白黒の水引が印刷されたタイプや、簡易的な水引がついたタイプが置いてあります。ただし高額を包む場合の大金封はコンビニにない場合がありますので、文房具店や百貨店で購入しましょう。

まとめ

香典袋は包む金額に合わせて選ぶのがマナーです。5,000円以下なら印刷タイプ、1万〜3万円なら白黒の水引、3万円以上なら双銀の水引を選びましょう。

表書きは仏式なら「御霊前」が一般的で、通夜・葬儀では薄墨で書きます。中袋には旧字体の漢数字で金額を記入し、裏面に住所と名前を書いてください。

お札は新札を避け、肖像画を裏にして入れるのがマナーです。突然の訃報に備えて、薄墨の筆ペンと基本的な香典袋を事前に用意しておくことをおすすめします。


※この記事は一般的なマナーについての情報提供を目的としています。地域や宗派によって異なる場合がありますので、不明な点は葬儀社にご相談ください。

最終更新日: 2026年2月22日

参考情報・出典