「お葬式にどんな喪服を着ていけばいいの?」「靴やネクタイのマナーがよくわからない」。突然の訃報で慌てて準備する方は多いのではないでしょうか。

男性の喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3つの格式があり、立場やシーンに合わせて選ぶ必要があります。服装だけでなく、ワイシャツやネクタイ、靴や靴下にも細かなマナーがあります。

この記事では、男性の喪服の選び方とマナーを一覧表つきでわかりやすく解説します。初めてのお葬式でも恥ずかしくない服装がわかりますので、ぜひ参考にしてください。

【この記事の結論】 男性の喪服は3種類あり、一般参列者は2〜5万円のブラックスーツ1着で通夜・葬儀に対応できます。

  • 準喪服が基本 — 漆黒で光沢のないシングル2つボタンのブラックスーツが最も無難
  • 小物のルール — 白無地シャツ+黒無地ネクタイ+黒ストレートチップ+黒靴下+黒ベルト
  • NGポイント — ビジネス用の黒スーツ・ボタンダウンシャツ・エナメル靴・ネクタイピンは不可

この記事の対象読者: 初めて喪服を購入する方、靴やネクタイのマナーを確認したい方

読んだら今日やること: 紳士服専門店でブラックスーツの試着予約をする

男性の喪服は3種類|格式の違いを知っておこう

男性の喪服は格式によって3つに分かれます。まずはそれぞれの違いを確認しましょう。

正喪服(喪主・親族向け)

正喪服は最も格式が高い喪服です。喪主や三親等以内の親族が着用します。

男性の正喪服は、洋装の場合はモーニングコート(黒のジャケットに縞模様のズボン)を着用します。和装の場合は紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)になります。

ただし近年は、喪主であっても準喪服(ブラックスーツ)を着用するケースが増えています。一般の参列者は正喪服を着ないのがマナーです。 喪主や遺族より格式が高い服装にならないようにしましょう。

準喪服(一般参列者の基本)

準喪服は正喪服の次に格式が高い喪服で、世間一般でいう「喪服」はこの準喪服を指します。

男性の準喪服はブラックスーツ(ブラックフォーマル)です。ビジネス用の黒いスーツとは異なり、漆黒(しっこく)と呼ばれる深い黒色で、光沢のない生地を使っています。

一般参列者がお通夜や葬儀に出席する際は、このブラックスーツを着用するのが正式なマナーです。

略喪服(平服指定・急な弔問向け)

略喪服は最も格式が低い喪服です。「平服でお越しください」と案内があった場合や、急な弔問の際に着用します。

黒やダークグレー、濃紺の無地のダークスーツが該当します。ただし「平服=普段着」ではありません。ジーンズやカジュアルな服装は避けましょう。

3種類の比較表

項目 正喪服 準喪服 略喪服
格式 最も高い 中間 低い
着用する人 喪主・三親等以内の親族 一般参列者・親族 平服指定時
着用シーン 葬儀・告別式 通夜・葬儀・告別式 法事・急な弔問
洋装 モーニングコート ブラックスーツ ダークスーツ
和装 紋付羽織袴
黒のみ 黒のみ(漆黒) 黒・ダークグレー・濃紺

準喪服(ブラックスーツ)の選び方

一般参列者が着るブラックスーツの選び方を解説します。

シングルとダブルの違い

ブラックスーツにはシングルとダブルの2種類があります。

タイプ 特徴 おすすめ度
シングル(2つボタン) 最も一般的で無難。年代を問わず着られる
シングル(3つボタン) やや若い印象。真ん中のボタンだけ留める
ダブル 重厚感がある。年配者に人気

初めての1着ならシングルの2つボタンがおすすめです。 年齢を問わず着られるため、長く使えます。

生地と色のポイント

喪服のブラックスーツはビジネス用の黒とは異なります。

  • : 漆黒(しっこく)と呼ばれる深い黒。並んだときにビジネス用との差が目立つ
  • 素材: 光沢のないマットな生地。ウール100%またはウール混紡が主流
  • 避ける素材: サテンやシルクなど光沢のあるもの

サイズ感のルール

喪服はジャストサイズを選ぶことが大切です。

部位 正しいサイズ NG
肩幅 肩のラインにぴったり合う 肩が落ちる・窮屈
袖丈 シャツの袖が1〜1.5cm見える シャツが隠れる
パンツ丈 靴に軽く当たるワンクッション 短すぎ・長すぎ
ウエスト ゆとりをもたせる(体型変化に対応) きつすぎる

価格帯の目安

購入先 価格帯 特徴
量販店・ネット通販 2〜3万円 手頃だが生地の質に差が出る
紳士服専門店 3〜5万円 品質と価格のバランスがよい
百貨店・ブランド 5〜10万円 品質が高く長く使える
オーダーメイド 10万円以上 体型にぴったり合う
レンタル 5,000〜15,000円 急な場合に便利

喪服は頻繁に買い替えるものではありません。少し奮発して品質のよいものを選ぶと、10年以上使えます。

ワイシャツ・ネクタイのマナー

ブラックスーツに合わせるワイシャツとネクタイにもマナーがあります。

ワイシャツの選び方

OK NG
白無地 柄物(ストライプ・チェック)
レギュラーカラー ボタンダウン(カジュアル)
ワイドカラー カラーシャツ(ブルー・ピンク等)
半袖シャツ単体(式中)

白無地のレギュラーカラーが最も基本的な選択です。襟型はワイドカラーでも問題ありません。

ネクタイの選び方と結び方

OK NG
黒無地・光沢なし 柄入りネクタイ
プレーンノット・ウィンザーノット ディンプル(えくぼ)を作る
ネクタイピン
黒以外の色

ネクタイは黒無地で光沢のないものを選びましょう(参考:全日本冠婚葬祭互助協会)。結び方はプレーンノットかウィンザーノットが一般的です。

ディンプル(結び目の下にできるくぼみ)は作らないのがマナーです。 ディンプルはおしゃれな印象を与えるため、弔事の場にはふさわしくありません。

また、ネクタイピンは光るアクセサリーにあたるため、付けないようにしましょう。

香典の金額やマナーについては「香典の相場と金額」をご覧ください。

靴・靴下・ベルトのマナー|OK・NGを一覧表で確認

足元のマナーも意外と見られています。しっかり確認しましょう。

OK NG
黒のストレートチップ(内羽根式) エナメル素材(光沢あり)
黒のプレーントゥ スエード素材
ローファー(カジュアル)
爬虫類型押し(殺生を連想)
スニーカー・サンダル
茶色の靴

最も正式なのは黒のストレートチップ(内羽根式)です。 つま先に一本線が入ったシンプルなデザインで、冠婚葬祭すべてに使えます。

靴下

OK NG
黒の無地 白い靴下
長めの丈(ふくらはぎが隠れる) ネイビー・グレーの靴下
柄物・ロゴ入り
くるぶし丈(スネが見える)

座ったときにスネが見えるとだらしない印象になります。必ず長めの丈の靴下を選びましょう。

ベルト

OK NG
黒の革ベルト クロコダイル型押し(殺生を連想)
バックルが小さくシンプルなもの 大きなブランドバックル
幅3cm程度の細めのもの 太すぎるベルト

身だしなみのマナー(髪型・ヒゲ・時計)

服装だけでなく、身だしなみにも気を配りましょう。

髪型

  • 清潔感のある落ち着いた髪型にする
  • 前髪が目にかからないようにする
  • 長髪の場合は後ろでまとめる
  • NG: 派手なヘアカラー、整髪料のつけすぎ

ヒゲ

  • きれいに剃るのが基本
  • 整えたヒゲであれば許容される場合もある
  • 無精ヒゲはNG

時計・その他小物

OK NG
シンプルなシルバーや黒革ベルトの時計 ゴールドの派手な時計
結婚指輪 大きなフェイスのスポーツウォッチ
白または黒の無地ハンカチ カラフルなハンカチ
略式数珠(仏式の場合) カフスボタン

時計は派手なものを避け、シンプルなデザインを選びましょう。カフスボタンやポケットチーフなどの装飾品は不要です。

季節別の喪服の注意点

季節によって注意すべきポイントが異なります。

夏のお葬式の服装

ポイント 内容
ジャケット 暑くても式中は着用。夏用の薄手素材がおすすめ
シャツ 汗対策として吸湿速乾のインナーを着用
ネクタイ 暑くても着用が必要
移動時 会場までは上着・ネクタイを外してもOK

冬のお葬式の服装

ポイント 内容
コート 黒のウール素材。カシミヤも可
ファー・毛皮 NG(殺生を連想させる)
マフラー・手袋 会場に入ったら外す
ダウンジャケット カジュアルに見えるため避ける

コートは受付前にクロークに預けるか、手に持って入りましょう。

家族葬でも服装マナーは一般的な葬儀と同じです。「家族葬の費用相場」もあわせてご覧ください。

男性の喪服でやってはいけないNGまとめ

よくあるNG例をまとめます。当日慌てないように事前に確認しておきましょう。

カテゴリ NGの内容 理由
スーツ ビジネス用の黒スーツ 漆黒ではなく色の差が目立つ
スーツ ストライプ・チェック柄 柄物は弔事に不適切
シャツ ボタンダウン、柄物 カジュアル・華美な印象
ネクタイ 色付き、柄入り 黒無地以外はNG
ローファー、スニーカー カジュアルすぎる
エナメル、爬虫類型押し 光沢・殺生を連想
靴下 白い靴下、くるぶし丈 弔事にふさわしくない
小物 ネクタイピン、カフスボタン 光る装飾品は不要
コート ファー・毛皮 殺生を連想

女性の喪服マナーについては「女性の喪服の選び方とマナー」をご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 礼服と喪服の違いは何ですか?

礼服は冠婚葬祭で着る正式な衣服の総称で、喪服は礼服の中でも弔事専用のものです。男性のブラックスーツは「礼服」としても「喪服」としても使えます。結婚式では白いネクタイ、葬儀では黒いネクタイに替えるだけで両方に対応できるため、1着持っておくと便利です。

Q. ビジネス用の黒いスーツで葬儀に出席できますか?

ビジネス用の黒いスーツは、喪服とは生地の質感や黒の深さが異なります。喪服の横に並ぶとグレーがかって見え、差が目立ちます。急な弔問(略喪服)であれば黒いスーツでも構いませんが、正式な葬儀にはブラックスーツ(ブラックフォーマル)を着用しましょう。

Q. 喪服はいつ用意しておくべきですか?

訃報は突然届くものです。できれば30代のうちに1着用意しておくことをおすすめします。体型が変わる前に購入しておけば長く使えます。急に必要になった場合はレンタル(5,000〜15,000円程度)を利用する方法もあります。

Q. レンタル喪服でも失礼にあたりませんか?

いいえ、レンタル喪服でも失礼にはあたりません。最近のレンタル喪服は品質が高く、見た目では購入品と区別がつきません。靴やネクタイ、ベルトなどの小物がセットになったプランもあるので、急な場合には便利です。

まとめ

男性の喪服は正喪服・準喪服・略喪服の3種類があり、一般参列者は「準喪服(ブラックスーツ)」を着用します。

初めての1着には、シングルの2つボタンのブラックスーツがおすすめです。生地は漆黒で光沢のないものを選びましょう。

シャツは白無地のレギュラーカラー、ネクタイは黒無地で光沢なし、靴は黒のストレートチップが基本です。ネクタイピンやカフスボタンなどの装飾品は付けないようにしましょう。

訃報は突然届きます。いざというときに慌てないよう、喪服は早めに準備しておくことをおすすめします。


※この記事は一般的なマナーについての情報提供を目的としています。地域や宗派によって異なる場合がありますので、不明な点は葬儀社にご相談ください。

最終更新日: 2026年2月22日

参考情報・出典