【この記事の結論】 お墓を生前に準備する「寿陵(じゅりょう)」は、縁起が良いとされ、相続税の節税効果もある賢い選択です。

  • 費用の目安は150万〜300万円 — 墓石代+永代使用料+管理費が中心。樹木葬なら20万〜80万円で済みます
  • 相続税が非課税になる — お墓は祭祀財産として課税対象外。現金で残すより節税効果があります
  • 約6割が生前にお墓を準備 — 自分の希望を反映でき、家族の負担も大幅に軽減できます

この記事の対象読者: お墓の生前準備を検討している方、費用や手順を知りたい方、生前墓のメリット・デメリットを比較したい方 読んだら今日やること: 家族と「お墓をどうするか」について話し合いの場を設けましょう

「お墓を生前に準備するのは縁起が悪い?」「費用はどのくらいかかるの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、お墓の生前準備(寿陵)の6つのメリットから、費用相場、種類別の比較、選び方のポイント、建てるまでの手順まで、はじめての方でも分かるように一から解説します。

お墓の生前準備(寿陵)とは?

生前墓・寿陵の意味と歴史

お墓の生前準備とは、元気なうちに自分や家族が入るお墓を建てておくことです。 生前に建てるお墓は「生前墓」や「寿陵(じゅりょう)」と呼ばれています。

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寿陵の「寿」は長寿・長命を意味し、「陵」は中国で皇帝の墓を指す言葉です。歴史的には秦の始皇帝が生前に自身の墓を造らせたことが起源とされています。

日本でも聖徳太子が生前にお墓を建てたと伝えられており、古くから行われてきた風習です。なお、お墓に関する法律は墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)で定められています。仏教では、生前にお墓を準備し供養を行うことを「逆修(ぎゃくしゅ)」と呼び、大きな功徳があるとされています。

生前にお墓を建てるのは縁起が悪い?

「生前にお墓を建てると早死にする」というのは迷信です。 実際はまったく逆で、寿陵は「長寿」「家庭円満」「子孫繁栄」を招くおめでたいものとされています。

近年は終活ブームの影響もあり、約6割以上の方が自分自身でお墓を準備していると言われています。「家族に迷惑をかけたくない」「自分の希望するお墓に入りたい」という想いから、生前準備を選ぶ方が増えているのです。

お墓を生前に準備する6つのメリット

メリット1: 自分の希望通りのお墓を選べる

生前にお墓を準備する最大のメリットは、自分の好みや希望を100%反映できることです。

墓石のデザインや石材の種類、立地条件など、時間をかけてじっくり選べます。亡くなってからでは、遺族が慌ただしい中で決めなければなりません。生前であれば複数の霊園を見学し、納得のいくお墓を見つけることができます。

メリット2: 家族の負担を大きく軽減できる

大切な方を亡くした直後は、葬儀の手配や各種手続きに追われ、心身ともに大変な時期です。その中でお墓選びまで行うのは、遺族にとって大きな負担になります。

生前にお墓を準備しておけば、経済的負担・精神的負担・手続きの負担をまとめて軽減できます。お墓を建てるには100万円以上かかることが多いため、その費用を遺族に負わせずに済むのは大きなメリットです。

メリット3: 相続税の節税になる

お墓は「祭祀財産」に該当し、相続税の課税対象から除外されます。 これは相続税法に明記されている制度です。

ポイントは、生前に購入して支払いを済ませておくことです。死後にお墓を建てるために現金を残しても、その現金には相続税がかかってしまいます。

パターン 課税遺産額 相続税の目安
生前に300万円のお墓を購入済み 4,000万円 約40万円
死後に遺族が300万円でお墓を購入 4,300万円 約70万円

※ 相続人1人、遺産総額4,300万円、基礎控除3,600万円の場合(相続税の基礎控除について詳しくはこちら)

この例では、約30万円の節税効果があります。遺産額が大きいほど節税効果も大きくなるため、相続対策の一環として検討する価値があります。

メリット4: じっくり比較検討できる

お墓選びは一生に一度の大きな買い物です。生前であれば、複数の霊園を見学し、石材店から見積もりを取り、デザインを何度も検討する時間的余裕があります。

死後に遺族が急いで決めると、「もっと良い場所があったのでは」「費用が高すぎた」などの後悔につながることもあります。

メリット5: 家族で話し合う機会になる

お墓は自分だけのものではありません。「お墓に入る人」と「お墓参りをする人」の双方が納得できるものを選ぶことが大切です。

生前にお墓の話し合いをすることで、家族の意見を聞きながら、全員が納得できる選択ができます。「どんなお墓がいいか」「場所はどこがいいか」を話し合うこと自体が、家族のコミュニケーションの機会にもなります。

メリット6: 死後の不安が解消される

「自分が亡くなった後、お墓はどうなるのだろう」という漠然とした不安を抱えている方は少なくありません。

生前にお墓を準備しておけば、「自分の居場所はもう決まっている」という安心感が得られます。終活の大きなステップをひとつ完了させることで、残りの人生をより前向きに過ごせるという声も多く聞かれます。

生前墓のデメリットと注意点

メリットの多い生前墓ですが、以下の注意点も把握しておきましょう。

納骨前から管理費がかかる

お墓を建てた時点から、年間5,000〜20,000円程度の管理費が発生します。まだ遺骨を納めていなくても、墓地の使用権を得た時点から支払いが始まります。

購入からお墓を使うまでの期間が長いほど、管理費の累計額が大きくなる点は覚えておきましょう。

公営墓地では生前購入が難しい場合がある

公営墓地(自治体が運営する墓地、厚生労働省の墓地行政ページも参照)は使用料・管理費が安い反面、遺骨がないと申し込めない場合があります。生前購入を受け付けている公営墓地もありますが、まだ少数です。

生前にお墓を準備したい場合は、民営墓地が選択肢の中心になります。

ローン完済前に亡くなった場合のリスク

お墓をローンで購入し、完済前に亡くなった場合、ローンの残額は債務控除の対象になりません。通常の借入金は相続財産から差し引けますが、祭祀財産であるお墓のローンは例外です。

そのため、相続税対策として生前墓を検討している場合は、現金一括払いが推奨されます。

後継者・管理者を決めておく必要がある

お墓は建てた後も定期的な掃除やメンテナンスが必要です。将来お墓を管理してくれる人を決めておかないと、荒れ墓や無縁仏になってしまうリスクがあります。

跡継ぎがいない場合は、管理不要の「永代供養墓」や「樹木葬」を検討するのも選択肢のひとつです。

家族・親族への事前相談が不可欠

何の相談もなくお墓を建ててしまうと、家族や親族とのトラブルに発展することがあります。「場所が遠い」「デザインが気に入らない」「そもそもお墓は不要だと思っていた」など、意見の食い違いは珍しくありません。

お墓を建てる前に、必ず家族・親族と話し合いの場を設けましょう。

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お墓の種類と費用を比較

お墓の種類別費用比較表

種類 費用の目安 特徴 継承の必要性
一般墓(墓石) 150万〜300万円 伝統的な墓石タイプ。家族代々で使用 必要
樹木葬 20万〜80万円 自然の中で供養。墓石が不要で費用を抑えられる 不要(多くの場合)
納骨堂 30万〜150万円 屋内型の施設。天候を気にせずお参りできる 種類による
永代供養墓 10万〜100万円 お寺や霊園が代わりに供養してくれる 不要

それぞれの種類について詳しくは、「樹木葬の費用とデメリット」「納骨堂の費用と種類」「永代供養の費用相場」の記事もあわせてご覧ください。

費用の内訳

一般墓を建てる場合の主な費用内訳は以下の通りです。

費用項目 金額の目安 備考
墓石代(工事費込み) 100万〜300万円 石材の種類・大きさ・デザインで変動
永代使用料 60万〜100万円 墓地の区画を使用する権利。地域差が大きい
年間管理費 5,000〜20,000円 墓地の維持管理に必要な費用
開眼供養のお布施 3万〜5万円 墓石に魂を込める儀式

ポイント 東京近郊では永代使用料だけで100万〜200万円になることもあります。 予算に合わせて、樹木葬や永代供養墓など別の選択肢も検討しましょう。

税金はかかる?

税金の種類 内容
相続税 非課税(祭祀財産として課税対象外)
固定資産税 かからない(所有権は霊園側にある)
不動産取得税 かからない
消費税 墓石代・工事費にかかる。永代使用料は非課税

お墓は国税庁の通達で祭祀財産として定められており、相続税の課税対象から除外されています。ただし、社会通念上著しく高額なものは非課税にならない場合もあるため、極端に高額なお墓は注意が必要です。

生前にお墓を建てる手順(7ステップ)

お墓の建立には2〜3か月程度かかるのが一般的です。 以下の手順で進めましょう。

ステップ1〜3: 情報収集から契約まで

ステップ 内容 ポイント
1 お墓の種類を決める 一般墓・樹木葬・納骨堂・永代供養墓から選択
2 霊園・墓地を選ぶ 公営・民営・寺院の3種類。現地見学は必須
3 申し込み・契約 永代使用料・管理費を支払い。住民票等の書類を提出

墓地選びでは、必ず現地を見学しましょう。パンフレットやWebサイトだけでは、日当たりや水はけ、周辺環境は分かりません。

ステップ4〜7: 建立から開眼供養まで

ステップ 内容 ポイント
4 石材店を選び、墓石デザインを決める 石種・形状・彫刻文字を決定。霊園の規約も確認
5 お墓の工事 基礎工事→外柵設置→墓石設置。工期は約2〜3か月
6 仕上がり確認・支払い ひび割れや傾きがないかチェック
7 開眼供養 僧侶に読経してもらい、墓石に魂を込める儀式

生前墓の開眼供養は「お祝いごと」にあたるため、紅白の水引きの祝儀袋で「開眼供養御祝」としてお布施を包みます。これは通常の法要(弔事)とは異なりますので注意しましょう。

お墓の選び方5つのポイント

立地・アクセス

自宅から通いやすい場所を選ぶのが最も重要です。 今は車で行ける距離でも、高齢になると運転ができなくなったり、長時間歩けなくなったりする可能性があります。

電車やバスでのアクセスも確認し、家族全員がお参りしやすい場所を選びましょう。

設備・環境

霊園の設備や管理状況も大切なポイントです。以下の点をチェックしましょう。

  • 環境面: 日当たり・水はけ・騒音
  • 設備面: バリアフリー・トイレ・休憩スペース・駐車場
  • 管理面: スタッフの常駐・清掃の頻度・植栽の手入れ

費用(初期費用+維持費)

初期費用だけでなく、毎年かかる管理費も含めた総コストで判断しましょう。「購入時は安くても、維持費が高かった」というケースもあります。追加費用の有無も事前に確認してください。

お墓の種類(継承者の有無で判断)

お墓の種類は、「継承者がいるかどうか」で大きく選択肢が変わります。

  • 継承者がいる → 一般墓が選択肢に入る
  • 継承者がいない・心配をかけたくない → 永代供養墓・樹木葬が安心

跡継ぎがいない場合は「散骨の費用と方法」も選択肢のひとつです。

宗教・宗派の確認

寺院墓地は宗教・宗派を限定している場合が多いです。 檀家になる必要があるかどうかも確認しましょう。民営墓地は宗教不問が多いため、宗派にこだわりがない方には利用しやすいです。

よくある質問(FAQ)

Q. 生前にお墓を建てると早死にするって本当?

A. いいえ、それは迷信です。むしろ生前墓は「寿陵」と呼ばれ、「長寿」「家庭円満」「子孫繁栄」を招く縁起の良いものとされています。仏教でも生前に供養を行う「逆修」は大きな功徳があると教えられています。

Q. 生前墓を建ててはいけない年(暦)はある?

A. お墓を建ててはいけない年は特にありません。「閏年にお墓を建てると不吉」という言い伝えもありますが、根拠のない迷信です。ただし、地域や宗派によって独自の考え方がある場合もあるため、気になる方は菩提寺に相談するとよいでしょう。

Q. 跡継ぎがいない場合でも生前墓は建てられる?

A. はい、建てられます。跡継ぎがいない場合は、永代供養墓や樹木葬など、管理不要のお墓を選ぶのがおすすめです。永代供養墓ならお寺や霊園が代わりに供養してくれるため、無縁仏になる心配がありません。

Q. 生前墓の開眼供養にはどんなお祝いをすればいい?

A. 開眼供養は「お祝いごと」にあたります。お布施は3万〜5万円が相場で、紅白の水引きの祝儀袋に「開眼供養御祝」と書いて渡します。また、お祝いの品として紅白まんじゅうや赤飯を用意する地域もあります。お車代(5,000〜10,000円)も別途準備しましょう。

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まとめ

お墓の生前準備について、改めて整理します。

項目 内容
メリット 希望を反映・家族の負担軽減・相続税の節税・縁起が良い
費用の目安 一般墓: 150万〜300万円 / 樹木葬: 20万〜80万円
手順 種類決定→墓地選び→契約→工事→開眼供養(約2〜3か月)
注意点 管理費の早期発生・ローンのリスク・家族への事前相談

お墓の生前準備で大切なポイントは3つです。

  1. 家族と話し合う: お墓に入る人とお参りする人の双方が納得する選択を
  2. 費用は現金一括が理想: ローンは相続税の債務控除が使えない
  3. 必ず現地見学する: パンフレットだけでは分からないことが多い

まずは家族と「お墓をどうするか」について話し合い、気になる霊園があれば現地見学の予約をしてみてください。

将来、お墓が不要になった場合の手続きについては「墓じまいの費用相場」で詳しく解説しています。納骨式の準備については「納骨式の費用と流れ」も参考になります。


※ この記事は一般的な情報提供を目的としています。 個別の事情については、専門家(弁護士・行政書士など)にご相談ください。

最終更新日: 2026年2月20日

参考情報・出典