※ この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の事情については、専門家(弁護士・税理士・行政書士など)にご相談ください。




「老後の年金って、実際いくらもらえるのだろう」「年金だけで生活できるのか不安」と感じていませんか。

この記事では、2026年度(令和8年度)の最新データをもとに、もらえる年金額を世帯パターン別にわかりやすく解説します。

【この記事の結論】 老後にもらえる年金は、会社員の夫+専業主婦の夫婦で月約23万円、おひとりさま(会社員)で月約15万円が目安です。生活費との差は月2万〜10万円で、繰り下げ受給やiDeCoで上乗せできます。

  • 国民年金(満額) — 月額70,608円(2026年度)
  • 厚生年金(モデル夫婦) — 月額237,279円(2026年度)
  • 不足額の目安 — 夫婦で月約4万円、おひとりさまで月約1万〜10万円

この記事の対象読者: 老後の年金額を具体的に知りたい方、年金だけで生活できるか不安な方、年金を増やす方法を探している方 読んだら今日やること: 「ねんきんネット」で自分の見込み年金額を確認し、毎月の生活費と比較してみましょう

年金制度の基本

日本の公的年金は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て構造で、働き方によってもらえる年金の種類と金額が異なります。

階層 年金の種類 対象者
1階部分 国民年金(老齢基礎年金) 20歳以上60歳未満の全国民
2階部分 厚生年金(老齢厚生年金) 会社員・公務員
  • 自営業・フリーランス(第1号被保険者) → 国民年金のみ
  • 会社員・公務員(第2号被保険者) → 国民年金+厚生年金
  • 専業主婦・主夫(第3号被保険者) → 国民年金のみ(保険料の自己負担なし)

2026年度の年金額(最新データ)

2026年度(令和8年度)の年金額は、物価・賃金の上昇を反映して前年度より引き上げられました。

項目 2026年度 2025年度 増減
国民年金(満額・1人分) 月額70,608円 月額69,308円 +1,300円
モデル年金(夫婦2人分) 月額237,279円 月額232,784円 +4,495円

用語解説 「モデル年金」とは、夫が平均的な賃金(月額換算45.5万円)で40年間会社員として働き、妻がその間専業主婦だった場合の夫婦2人分の年金額です。

年金の平均受給額

実際に受給している人の平均額は、満額やモデル年金より低い傾向があります。納付期間や収入によって個人差が大きいためです。

国民年金(老齢基礎年金)の平均

区分 月額
男性 約60,000円
女性 約56,000円
全体平均 約57,000円

満額(70,608円)との差は約1.4万円です。これは未納期間や免除期間がある人が多いためです。

厚生年金(老齢基礎年金を含む)の平均

区分 月額
男性 約164,000円
女性 約105,000円
全体平均 約147,000円

男女差が約6万円ある理由は、女性の方が平均賃金が低く、育児等で厚生年金の加入期間が短い傾向があるためです。

世帯パターン別の年金月額

同じ「老後の年金」でも、世帯の働き方によって月額は11万〜27万円と大きく異なります。ご自身に近いパターンで確認しましょう。

世帯パターン 年金月額の目安 年額の目安
共働き夫婦(両方会社員) 約27万円 約324万円
片働き夫婦(夫会社員+妻専業主婦) 約23万円 約276万円
自営業夫婦(両方国民年金) 約11万円 約132万円
おひとりさま(会社員) 約15万円 約180万円
おひとりさま(自営業) 約6万円 約72万円

ポイント 自営業の方は厚生年金がないため、年金額が大幅に少なくなります。iDeCoや国民年金基金などの「自分年金」で上乗せすることが重要です。

年金だけで生活できる?生活費との比較

年金と老後の生活費を比べると、多くの世帯で月2万〜10万円の不足が生じます。

世帯パターン 年金月額 生活費月額 月々の不足額 30年間の不足総額
共働き夫婦 約27万円 約27万円 ほぼなし
片働き夫婦 約23万円 約27万円 約4万円 約1,440万円
自営業夫婦 約11万円 約27万円 約16万円 約5,760万円
おひとりさま(会社員) 約15万円 約16万円 約1万円 約360万円
おひとりさま(自営業) 約6万円 約16万円 約10万円 約3,600万円

※生活費は総務省「家計調査」(2024年)の65歳以上世帯の平均支出を参考。夫婦世帯約27万円、単身世帯約16万円。

老後の生活費はいくら必要?で、生活費の内訳と節約のポイントを詳しく解説しています。

年金を増やす5つの方法

年金の不足分を補うには、制度を活用して受給額を増やすことが効果的です。以下の5つの方法を優先度順に紹介します。

1. 繰り下げ受給(最大84%増額)

年金の受給開始を65歳から遅らせると、1か月あたり0.7%ずつ増額されます。

受給開始年齢 増額率 月額の目安(モデル年金の場合)
65歳(通常) 0% 約23.7万円
66歳 +8.4% 約25.7万円
68歳 +25.2% 約29.7万円
70歳 +42% 約33.7万円
75歳 +84% 約43.6万円

注意 繰り下げ中は年金がもらえないため、その間の生活費を確保しておく必要があります。また、繰り下げで増額した年金は税金や社会保険料の負担も増える点に注意しましょう。

2. iDeCo(個人型確定拠出年金)

自分で掛金を出し、運用して老後資金を積み立てる制度です。掛金が全額所得控除になるため、節税しながら老後に備えられます。

項目 内容
加入年齢 70歳未満(2026年12月〜)
掛金上限(会社員) 月額62,000円(2026年12月〜)
掛金上限(自営業) 月額75,000円(2026年12月〜)
受取開始 60〜75歳

3. 付加年金(自営業者向け)

国民年金に月額400円を上乗せして納めると、将来の年金が「200円×納付月数」分増えます。

  • 例: 20年間(240か月)納付した場合 → 年間48,000円(月4,000円)の増額
  • 2年間で元がとれる非常にお得な制度です

4. 国民年金の任意加入

60歳時点で国民年金の納付月数が480か月(40年)に満たない場合、60〜65歳の間に任意加入して不足分を埋められます。満額に近づけることで年金額が増えます。

5. 65歳以降も働く

65歳以降も厚生年金に加入して働くと、退職時または70歳到達時に年金額が再計算され、増額されます。

2026年4月からは在職老齢年金の支給停止基準額が月額65万円に引き上げられるため、以前より年金が減らされにくくなっています。

自分の年金額を確認する方法

正確な年金額を知るには、以下の方法で確認できます。

方法 内容 確認できること
ねんきんネット 日本年金機構のWebサービス 加入記録・見込み年金額のシミュレーション
ねんきん定期便 毎年誕生月に届くハガキ 直近1年の保険料納付実績・年金見込額
年金事務所への相談 対面・電話・予約制 詳しい試算・繰り下げの比較

ポイント 50歳以上の方は「ねんきん定期便」に実際の見込み年金額が記載されます。届いたら必ず確認しましょう。

おひとりさまが特に注意すべきこと

おひとりさまの場合、年金額が少ないうえに介護や認知症リスクへの備えも自分で準備する必要があります。

  • 年金だけでは月1万〜10万円不足する可能性がある
  • 医療費・介護費用は自分ですべて負担する
  • 認知症になった場合の財産管理を誰に任せるか考えておく
  • 死後の手続き(葬儀・届出・解約)を委任する相手を決めておく

おひとりさまの老後リスクと備え方で、8つのリスクと対策を詳しく解説しています。

認知症に備えた財産管理には、任意後見制度の活用も検討してみてください。

よくある質問

Q. 年金は何歳からもらえる?

A. 原則65歳からです。ただし60歳から繰り上げてもらうこともでき(減額あり)、75歳まで繰り下げて増額することもできます。自分のライフプランに合わせて受給開始時期を選べます。

Q. 国民年金を満額もらうには?

A. 20歳から60歳までの40年間(480か月)すべて保険料を納めると満額(月額70,608円)を受給できます。未納期間がある場合は60〜65歳で任意加入して補うことが可能です。

Q. 厚生年金の受給額はどうやって決まる?

A. 加入期間中の平均的な報酬(給与・賞与)と加入月数で計算されます。報酬が高いほど、加入期間が長いほど年金額が増えます。具体的には「平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数」で算出されます。

Q. 夫が亡くなったら妻の年金はどうなる?

A. 夫の厚生年金の一部を「遺族厚生年金」として受給できます。金額は夫の厚生年金の約75%が目安です。ただし自分の老齢厚生年金と両方もらうことはできず、有利な方を選ぶ仕組みです。生命保険の見直しで、遺族年金を踏まえた保障設計を解説しています。

Q. 年金だけで老後は暮らせる?

A. 共働き夫婦であればほぼ年金だけで基本的な生活費をまかなえます。ただし片働き夫婦で月約4万円、おひとりさまで月約1万〜10万円の不足が出る傾向です。不足分は貯蓄・iDeCo・繰り下げ受給などで備えましょう。

まとめ

老後にもらえる年金額は、働き方や世帯の形によって大きく異なります。

【この記事の結論】を振り返ります。

  • 国民年金(満額) — 月額70,608円(2026年度)
  • 厚生年金(モデル夫婦) — 月額237,279円(2026年度)
  • 世帯パターン別 — 共働き約27万円、片働き約23万円、自営業約11万円、おひとりさま約6〜15万円
  • 生活費との差 — 多くの世帯で月2万〜10万円の不足
  • 増やす方法 — 繰り下げ受給(最大84%増)、iDeCo、付加年金、任意加入、65歳以降の就労

まずは「ねんきんネット」で自分の見込み年金額を確認し、毎月の生活費と比較してみましょう。

エンディングノートの書き方で年金情報や口座情報を記録しておくと、もしものときにも安心です。


※ この記事は2026年度(令和8年度)の年金額をもとに作成しています。 年金制度や税制は改正されることがあります。最新の情報は日本年金機構のサイトでご確認ください。

最終更新日: 2026年2月24日

参考情報・出典