【この記事の結論】 老人ホームの費用が払えない場合、6つの公的補助制度や施設の住み替えなどで月額2万〜10万円以上の負担軽減が可能です。

  • 高額介護サービス費 — 月額の自己負担上限を超えた分が払い戻される制度。上限は所得に応じて15,000円〜140,100円(6段階)
  • 負担限度額認定 — 住民税非課税世帯の入所者の食費・居住費を大幅に軽減できる
  • 施設の住み替え — 有料老人ホームから特養・サ高住に移ると月額5万〜15万円の節約も可能

この記事の対象読者: 老人ホームの費用負担が厳しくなっている方、親の施設費用を支払っている子世代の方、費用の安い施設を探している方 読んだら今日やること: お住まいの市区町村の介護保険課に補助制度が使えるか問い合わせてみましょう

「老人ホームの費用が払えなくなったらどうしよう…」と不安を感じている方は少なくないのではないでしょうか。

この記事では、費用が払えなくなった場合にどうなるのか、利用できる6つの補助制度、そして費用を抑えるための7つの具体策を分かりやすく解説します。相談先も一覧でご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

老人ホームの費用が払えないとどうなる?

老人ホームの費用が払えなくなっても、すぐに退去を求められることはありません。一般的に1〜2ヶ月の猶予期間が設けられています。

費用の問題を解決する間も、日々の食事準備は必要です。Dr.つるかめ キッチンなら制限食対応の宅配弁当で食事の負担を軽減できます。

費用の支払いが難しくなった場合の流れを知っておくと、落ち着いて対処できます。

すぐに退去にはならない

費用の支払いが滞っても、施設側がすぐに退去を求めることはほとんどありません。多くの施設では1〜2ヶ月程度の猶予が認められています。

まずは施設の生活相談員やケアマネジャーに事情を伝えましょう。早めに相談することで、解決策を一緒に考えてもらえます。

支払い猶予や分割払いの交渉ができる

施設によっては、支払い日の延長や分割払いに応じてくれる場合があります。黙って滞納するのではなく、正直に経済状況を伝えることが大切です。

身元引受人(連帯保証人)がいる場合は、その方に連絡が行くことがあります。家族全体で状況を共有し、対策を話し合いましょう。

最終的に退去を求められるケースも

支払いの見通しが立たない状態が続くと、最終的に退去を求められる場合もあります。

ただし、退去になっても行き先がなくなるわけではありません。費用の安い施設への住み替えや、生活保護の申請など、さまざまな選択肢があります。

ポイント 費用の問題は一人で抱え込まないことが大切です。施設のスタッフや地域包括支援センターに相談すれば、利用できる制度や対策を一緒に考えてもらえます。

老人ホームの費用を軽減できる6つの補助制度とは?

介護保険には費用負担を軽くするための補助制度が複数用意されています。知らないだけで使える制度がある方も多いため、一つずつ確認していきましょう。

高額介護サービス費(月額上限超過分の払い戻し)

1ヶ月の介護サービス自己負担額が所得に応じた上限額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。

段階 対象者 月額上限(世帯)
第1段階 生活保護受給者 15,000円(個人)
第2段階 住民税非課税世帯・年金収入等80.9万円以下 24,600円(個人15,000円)
第3段階 住民税非課税世帯(第2段階以外) 24,600円
第4段階 課税世帯(課税所得380万円未満) 44,400円
第5段階 課税所得380万円〜690万円未満 93,000円
第6段階 課税所得690万円以上 140,100円

申請先は市区町村の介護保険課です。一度申請すれば、以降は自動的に払い戻しが行われます(参考: 厚生労働省「サービスにかかる利用料」)。

特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)

住民税非課税世帯の方が介護保険施設に入所する場合、食費と居住費を大幅に軽減できる制度です。

利用するには、市区町村に申請して「負担限度額認定証」を取得する必要があります。

利用条件: – 世帯全員(配偶者含む)が住民税非課税 – 預貯金等が一定額以下(段階により500万円〜1,000万円以下)

この制度を使うと、食費と居住費で月額数万円の軽減が見込めます。

高額医療・高額介護合算療養費制度

1年間(毎年8月〜翌年7月)の医療費と介護費の自己負担合計額が限度額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。

医療保険と介護保険の両方を利用している方が対象です。申請は医療保険者と介護保険者の両方に行います。

社会福祉法人等による利用者負担軽減制度

社会福祉法人が運営する特養やデイサービスなどの利用者負担を軽減する制度です。

  • 食費・居住費・サービス利用料の25%が軽減されます
  • 老齢福祉年金受給者は50%が軽減されます
  • 市区町村の介護保険課で「利用者負担軽減確認証」を取得して利用します

自治体独自の助成制度

お住まいの自治体によっては、独自の介護費用軽減制度を設けている場合があります。

たとえば、介護用品の支給、住宅改修費の助成、介護タクシーの補助など、内容は自治体ごとに異なります。地域包括支援センターに相談すると、利用できる制度を教えてもらえます。

生活保護

上記の制度を利用しても費用が払えない場合は、生活保護の申請を検討しましょう。

生活保護を受給しても、特別養護老人ホーム(特養)や一部の介護施設に入居できます。福祉事務所で相談すれば、申請方法や利用できる施設について案内を受けられます。

6つの補助制度まとめ

制度名 対象 軽減内容 申請先
高額介護サービス費 自己負担が上限超過 超過分を払い戻し 市区町村
負担限度額認定 住民税非課税世帯 食費・居住費を軽減 市区町村
高額医療・介護合算 医療+介護で高額 合算超過分を払い戻し 医療・介護保険者
社福法人軽減 社福法人施設の利用者 利用料の25〜50%軽減 市区町村
自治体独自制度 自治体により異なる 各種補助 地域包括支援センター
生活保護 生活困窮者 施設費用を公費で負担 福祉事務所

費用を抑えるための7つの具体的な方法とは?

補助制度の活用に加えて、施設の見直しや家族間の協力で月額費用を大幅に抑えられる場合があります。

費用の安い施設へ住み替える

現在の施設の費用が高い場合は、費用の安い施設への住み替えを検討しましょう。施設の種類によって費用は大きく異なります

住み替え先 月額費用の目安 特徴
特別養護老人ホーム(特養) 5万〜15万円 最も費用が安い。要介護3以上が対象
介護老人保健施設(老健) 6万〜17万円 リハビリ中心。入所期間に制限あり
サービス付き高齢者向け住宅 10万〜25万円 自立度が高い方向け

特養は費用が最も安い施設ですが、入居待ちが発生する場合もあります。早めに申し込んでおくことをおすすめします。

世帯分離で住民税非課税世帯にする

同居している家族と世帯を分けることで、住民税非課税世帯になれる場合があります。

非課税世帯になると、負担限度額認定や高額介護サービス費の上限額が下がり、大幅な費用軽減につながります。

ただし、世帯分離にはデメリットもあります。国民健康保険料が上がる場合や、扶養控除が使えなくなる場合があるため、事前にケアマネジャーや市区町村の窓口に相談しましょう。

要介護認定の区分変更を申請する

現在の要介護度と実際の状態が合っていない場合は、区分変更の申請ができます。

要介護度が変われば、利用できるサービスの量や負担額が変わります。ケアマネジャーに相談して、適切な介護度の認定を受けましょう。

不要な介護サービスを見直す

利用しているサービスの中に、本当に必要かどうか見直すべきものがあるかもしれません。

ケアマネジャーと一緒にケアプランを見直し、利用頻度を調整することで月額費用を下げられる可能性があります。

家族間で費用を分担する

一人の家族が全額を負担するのではなく、兄弟姉妹で分担する方法もあります。

費用の分担について家族で話し合い、無理のない金額を決めておきましょう。口約束ではなくメモに残しておくとトラブルを防げます。

リバースモーゲージを活用する

自宅を所有している場合、リバースモーゲージを利用して資金を確保できます。

リバースモーゲージとは、自宅を担保に金融機関から融資を受ける仕組みです。自宅に住み続けながら(または施設入居中でも)資金を得られます。利用条件は金融機関によって異なるため、事前に確認が必要です。

自宅の売却・賃貸で資金を確保する

施設に入居した後、空き家になっている自宅を売却または賃貸に出すことで、まとまった資金や定期的な収入を得られます。

不動産の売却には時間がかかる場合があるため、早めに検討を始めましょう。

施設費用の見直しと合わせて食事コストも確認
在宅介護に切り替える場合、制限食対応の宅配弁当を活用すれば食費と手間の両方を抑えられます。
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施設の種類別に費用相場を比較するとどうなる?

施設の種類によって月額費用は大きく異なります。以下の比較表で、費用の安い施設を確認してみましょう。

施設種類 入居一時金 月額費用 生活保護対応 要介護度の目安
特別養護老人ホーム 0円 5万〜15万円 要介護3以上
介護老人保健施設 0円 6万〜17万円 要介護1以上
グループホーム 0〜数十万円 12万〜18万円 要支援2〜要介護5
介護付き有料老人ホーム 0〜数百万円 15万〜35万円 自立〜要介護5
住宅型有料老人ホーム 0〜数百万円 12万〜30万円 自立〜要介護5
サービス付き高齢者向け住宅 0〜数十万円 10万〜25万円 自立〜要介護3程度

費用を抑えたい場合は、特養が最も有力な選択肢です。老人ホームの費用相場についてもあわせてご確認ください。

費用の悩みはどこに相談すればいい?

費用の問題は一人で悩まず、専門窓口に相談しましょう。すべて無料で利用できます。

相談先 相談できること 連絡方法
地域包括支援センター 介護全般の相談、制度案内 お住まいの地域のセンターに電話
市区町村の介護保険課 負担限度額認定・高額介護サービス費の申請 市区町村役所の窓口
福祉事務所 生活保護の相談・申請 お住まいの地域の福祉事務所に電話
ケアマネジャー ケアプラン見直し・費用相談 担当のケアマネジャーに連絡
施設の生活相談員 支払い方法・分割払いの相談 入居中の施設に連絡

特に地域包括支援センターは、介護に関するあらゆる相談を受け付けている総合窓口です。どこに相談したらよいか迷ったら、まずここに連絡してみましょう。

老人ホームの費用に関するよくある質問(FAQ)

Q. 年金だけで入れる老人ホームはある?

A. はい、あります。特別養護老人ホーム(特養)は月額5万〜15万円で入居でき、国民年金(月額約7万円)でも負担限度額認定を活用すれば入居可能です。ただし、特養は要介護3以上が入居条件で、入居待ちが発生する場合もあります

Q. 生活保護を受けていても老人ホームに入れる?

A. はい、入れます。特別養護老人ホームや一部の介護施設は、生活保護受給者の入居を受け入れています。施設費用は生活保護の「介護扶助」「生活扶助」で賄われます。福祉事務所に相談してください。

Q. 費用の安い老人ホームの探し方は?

A. まず介護施設の種類と選び方を確認し、特養やサ高住など費用の安い施設を中心に探しましょう。地域包括支援センターやケアマネジャーに相談すると、条件に合った施設を紹介してもらえます。

Q. 老人ホームの費用は医療費控除の対象になる?

A. 特養やグループホームなど一部の施設の費用は、確定申告で医療費控除の対象になります。対象となるのは介護サービス費の自己負担分(1割〜3割負担分)と、特養の場合は食費・居住費の一部です。詳しくは税務署にご確認ください。

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まとめ

老人ホームの費用が払えなくなっても、さまざまな対処法があります。【この記事の結論】をまとめます。

  • まずは相談: 施設のスタッフや地域包括支援センターに早めに相談する
  • 6つの補助制度: 高額介護サービス費・負担限度額認定・合算療養費制度などを活用する
  • 7つの費用削減策: 施設の住み替え・世帯分離・サービスの見直しなどで負担を軽減する
  • 施設の比較: 特養は月額5万〜15万円と最も費用が安い

費用の問題は決して恥ずかしいことではありません。公的な支援制度を上手に活用しながら、親御さんやご自身にとって最適な介護環境を見つけていきましょう。

老人ホームの費用相場についても確認して、将来に備えておくと安心です。


※ この記事は一般的な情報提供を目的としています。 個別の事情については、専門家(ケアマネジャー・社会福祉士・税理士など)にご相談ください。

最終更新日: 2026年2月21日

参考情報・出典