社葬に参列することになったけれど、「費用は誰が払うの?」「当日はどう振る舞えばいいの?」と疑問に思っていませんか。

社葬は企業が施主となって行う特別な葬儀です。一般の葬儀とは異なるルールやマナーがあるため、事前に知っておくと安心です。

この記事では、社葬の費用相場から当日の流れ、参列時のマナーまでわかりやすく解説します。

【この記事の結論】 社葬の費用は500人規模で500万〜2,000万円が相場で、費用の大半は企業が損金算入できます。

  • 3つの形式がある — 社葬(狭義)・合同葬・お別れの会。規模や宗教色の有無で選ぶ
  • 参列マナー — 黒の礼服を着用し、名刺の右上に「弔」と書いて受付に提出する
  • 香典は辞退が多い — 案内状を必ず確認。供花・弔電は会社名義で手配するのが基本

この記事の対象読者: 社葬に参列する予定がある方、社葬の費用やマナーを確認したい方

読んだら今日やること: 届いた案内状の「香典辞退」「供花の可否」の記載を確認しましょう

社葬とは?一般の葬儀との違い

社葬とは、企業(法人)が施主となって執り行う葬儀のことです。

一般の葬儀では遺族が施主と喪主を兼ねますが、社葬では役割が分かれます。

役割 社葬 一般の葬儀
施主(費用負担) 企業 遺族
喪主 遺族 遺族
葬儀委員長 社長・重役 なし

社葬は、故人の功績をたたえ、会社としての弔意を社内外に示すために行われます。

対象となるのは主に以下の方です。

  • 創業者・会長・社長
  • 長年会社に貢献した役員
  • 業務中の事故で亡くなった社員

社葬には企業の信頼性やブランドイメージを守る目的もあり、取引先や関係者への感謝を伝える場でもあります(参考:全日本葬祭業協同組合連合会)。

社葬の3つの形式|社葬・合同葬・お別れの会の違い

広い意味での「社葬」には、3つの形式があります。それぞれの特徴を表にまとめました。

項目 社葬(狭義) 合同葬 お別れの会
時期 密葬後1〜2ヶ月 亡くなって数日〜1週間以内 密葬後1〜2ヶ月
宗教形式 あり あり なし(自由形式)
故人との対面 不可(遺骨) 可能(火葬前) 不可(遺骨)
規模 大規模 中〜大規模 中〜大規模
費用 高め やや抑えめ 内容次第

社葬(狭義)

読経や焼香など宗教儀礼に則った式典です。密葬(近親者のみの葬儀)と火葬を終えてから、1〜2ヶ月後に行います。四十九日以内に行うのが一般的です。

合同葬

遺族と企業が合同で行う葬儀です。通夜・告別式を含む形式で、亡くなってから数日〜1週間以内に行います。火葬前に行うため、故人のお顔を見てお別れできるのが大きな特徴です。

お別れの会

宗教色を薄めた自由な形式の式典です。献花や映像上映、食事会など、故人の人柄や功績にあわせた演出ができます。近年はこの形式を選ぶ企業が増えています。

社葬の費用相場|規模別の目安

社葬の費用は、参列者の規模や会場によって大きく異なります。

参列者規模 費用相場
200〜300人 200万〜500万円
500人程度 500万〜2,000万円
1,000人以上 1,500万〜3,000万円
2,000人以上 3,000万円〜

費用の主な内訳

項目 内容
会場利用費 ホテル・斎場・寺院の使用料
祭壇・装花 祭壇設置費、供花代
飲食接待費 会食・返礼品
案内状・印刷費 案内状の作成・発送
映像・音響 故人の映像制作、音響設備
人件費 司会、受付スタッフ
お布施 宗教者へのお礼

費用は会場選びで大きく変わります。ホテルでの社葬は格式が高い反面、費用も高くなる傾向があります。

社葬の費用は誰が負担する?経費処理の方法

社葬費用の負担と経費処理について解説します。

基本的な負担の考え方

  • 企業負担: 領収書が発行される費用(会場費、装花、印刷費など)
  • 遺族負担: 領収書が発行されない費用(お布施など)

社葬費用の大半は企業が負担するのが一般的です。

経費処理のポイント

社葬費用は「福利厚生費」として損金算入できます。ただし、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 取締役会で社葬の実施を決議していること
  2. 社葬の規模が故人の地位や功績に見合っていること
  3. 領収書を適切に保管していること

税務調査で否認されないためにも、議事録の作成と領収書の管理が重要です。

社葬当日の流れ|6つのステップ

社葬当日の一般的な流れを紹介します。

ステップ1: 受付(開式30分〜1時間前)

参列者は受付で記帳と名刺の提出を行います。香典を受け取る場合は、ここで渡します。

ステップ2: 開式の辞

司会者が開式を宣言します。葬儀委員長の紹介も行われます。

ステップ3: 読経・焼香(宗教形式の場合)

僧侶による読経が行われ、参列者が順番に焼香します。お別れの会の場合は、この代わりに黙祷を行うこともあります。

ステップ4: 葬儀委員長の弔辞・弔電披露

葬儀委員長が弔辞を述べます。その後、届いた弔電の中から代表的なものが披露されます。

ステップ5: 献花・お別れの儀

参列者が一人ずつ花を捧げます。故人の遺影や祭壇に向かって献花を行います。

ステップ6: 閉式・喪主挨拶

喪主または遺族代表が感謝の挨拶を述べ、閉式となります。その後、会食が行われることもあります。

所要時間は全体で1時間30分〜2時間程度が目安です。

社葬に参列する際の服装マナー

社葬は企業の公式行事でもあるため、服装には特に注意が必要です。

男性の服装

  • ブラックスーツ(ダブル・シングルどちらでも可)
  • 白いワイシャツ
  • 黒のネクタイ(光沢なし)
  • 黒の靴下・黒の靴

女性の服装

  • 黒のワンピースまたはスーツ
  • 袖は長め、スカート丈は膝下
  • 黒のストッキング
  • パールのネックレス(一連のみ可)

避けるべきもの

  • 毛皮・革のコート(殺生を連想させるため)
  • 光沢のあるアクセサリー
  • 派手なメイク・ネイル
  • 強い香水

社葬の香典マナー|金額相場と辞退への対応

社葬では香典の扱いが一般の葬儀と異なる場合があります。

香典を辞退するケースが多い

社葬では「ご厚志辞退」として香典を受け取らないケースが多くあります。案内状に「ご厚志はご辞退申し上げます」と記載されている場合は、香典を持参しません。

香典を持参する場合の金額相場

立場 金額の目安
取引先企業として 3万〜5万円
深い取引関係 5万〜10万円
個人として参列 1万〜3万円

表書きは「御霊前」が一般的です。宗派がわかっている場合はそれに合わせましょう。

社葬での名刺の渡し方と受付マナー

社葬特有のマナーとして、名刺の提出があります。

名刺の準備

  • 名刺の右上に「弔」と記入する
  • または名刺の左下の角を少し折る
  • どちらも「弔意を示すために参列した」という意味

受付での流れ

  1. 受付で名刺を提出する
  2. 芳名帳に記帳する
  3. 香典がある場合は渡す

名刺は2枚以上持参すると安心です。受付が複数ある場合や、記録用に求められることがあります。

注意点

  • 仕事の話や商談はしない
  • 他の参列者との名刺交換はマナー違反
  • あくまで弔いの場であることを忘れない

よくある質問

Q. 社葬と一般の葬儀の一番の違いは何ですか?

一番の違いは「施主が企業である」ことです。費用は企業が負担し、葬儀委員長として社長や重役が式を取り仕切ります。故人の功績を社内外に示す企業の公式行事という位置づけです。

Q. 社葬の案内状が届いたら必ず参列すべきですか?

案内状が届いた場合は、原則として参列するのが望ましいです。やむを得ず欠席する場合は、弔電や供花を送りましょう。弔電は葬儀委員長宛に送るのがマナーです。

Q. 社葬で供花を送りたい場合はどうすればいいですか?

供花を送る前に、必ず主催企業に確認しましょう。「供花・供物はご辞退申し上げます」と案内がある場合は送りません。送る場合は、主催企業が指定する花屋を通して手配するのが一般的です。

Q. 合同葬と社葬、どちらを選ぶ企業が多いですか?

近年は密葬+お別れの会の形式を選ぶ企業が増えています。まず近親者で密葬を行い、後日あらためてお別れの会を開くスタイルです。宗教にとらわれず自由な演出ができることが人気の理由です。

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※この記事は一般的な情報提供を目的としています。社葬の具体的な費用や形式は企業や葬儀社によって異なります。詳細は専門の葬儀社にご相談ください。

※最終更新日: 2026年2月27日

参考情報・出典