【この記事の結論】 相続手続きは8STEPで自分でも進められ、費用は数千円〜数万円で済みます。専門家に依頼する場合の10万〜50万円以上と比べて大幅に節約可能です。

  • 8つの手順を時系列で実行 — 遺言書確認・戸籍収集・財産調査・相続放棄・準確定申告・遺産分割・相続登記・相続税申告
  • 期限のある手続きを最優先 — 相続放棄3か月・準確定申告4か月・相続税申告10か月・相続登記3年以内
  • 2024年4月から相続登記が義務化 — 3年以内に登記しないと10万円以下の過料の可能性

この記事の対象読者: 親が亡くなり相続手続きを自分で進めたい方、専門家に依頼する費用を抑えたい方

読んだら今日やること: 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を本籍地の市区町村役場に請求する

相続手続きは、正しい手順を知れば自分でやることができます。費用は数千円〜数万円に抑えられ、専門家に依頼する場合の10万〜50万円以上と比べて大幅に節約できます。

「親が亡くなったけれど、何から手をつければいいか分からない」という方は多いのではないでしょうか。相続手続きは種類が多く、期限が決まっているものもあるため、全体の流れを把握しておくことが大切です。

この記事では、相続手続きを自分でやるための8つの手順を時系列で解説します。必要書類・費用・期限もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

相続手続きを自分でやるには?全体の流れを8STEPで解説

相続手続きは大きく8つのステップに分かれ、死亡届の提出から相続税の申告まで、おおむね10か月〜1年で完了するのが一般的です。

まずは全体像を把握しましょう。相続手続きは期限があるものとないものが混在しています。期限のある手続きから優先的に進めることが重要です。

相続手続き8STEPの全体像

STEP 手続き内容 期限の目安
1 遺言書の有無を確認 できるだけ早く
2 相続人の確定(戸籍収集) 1〜2か月
3 相続財産の調査 1〜3か月
4 相続放棄の検討 3か月以内
5 準確定申告 4か月以内
6 遺産分割協議 できるだけ早く
7 相続登記(不動産の名義変更) 3年以内(義務)
8 相続税の申告・納付 10か月以内

手続き完了までの期間はどのくらい?

相続手続き全体にかかる期間は、一般的に6か月〜1年程度が目安です。

ただし相続人の人数や財産の種類によって大きく変わります。相続人が配偶者と子の2人だけで、財産が預貯金中心なら3〜4か月で終わるケースもあります。

一方、相続人が多い場合や不動産が複数ある場合は、1年以上かかることもあります。

【STEP1】遺言書があるかどうか確認するにはどうする?

遺言書の有無によって手続きの進め方が大きく変わるため、相続が発生したらまず遺言書の確認から始めましょう。

遺言書がある場合は、原則としてその内容にしたがって遺産を分けます。遺言書がない場合は、相続人全員で話し合い(遺産分割協議)をして決めます。

自筆証書遺言の探し方と検認手続き

自筆証書遺言(故人が手書きした遺言書)は、自宅の金庫やタンス、仏壇の引き出しなどに保管されていることが多いです。

自宅で見つかった場合は、開封せずに家庭裁判所で「検認」の手続きを受ける必要があります。勝手に開封すると5万円以下の過料が科されることがあるため、注意してください。

なお、2020年7月から始まった「自筆証書遺言書保管制度」を利用して法務局に預けている場合は、検認は不要です。法務局に遺言書が保管されているかどうかは、「遺言書保管事実証明書」を請求して確認できます。

公正証書遺言の検索方法

公正証書遺言(公証役場で作成した遺言書)は、最寄りの公証役場で検索できます。

相続人であることを証明する戸籍謄本と、本人確認書類を持って公証役場に行けば、遺言書の有無を確認してもらえます。公正証書遺言の場合は、家庭裁判所での検認は不要です。

関連記事 自筆証書遺言の詳しい書き方については、「遺言書の書き方ガイド|自筆証書遺言を正しく作成する方法」をご覧ください。

【STEP2】相続人はどうやって確定する?戸籍収集のやり方

相続人の確定には、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を全て集めることが必要です。

相続人が誰なのかを正確に把握することは、その後の全ての手続きの基盤になります。戸籍を漏れなく集めることが重要です。

被相続人の出生〜死亡までの戸籍を集める

戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場で取得します。故人が転籍(本籍地の変更)をしていた場合は、複数の役場から取り寄せることになります。

必要な戸籍の種類と費用:

書類名 費用(1通) 取得先
戸籍謄本 450円 本籍地の市区町村役場
除籍謄本 750円 本籍地の市区町村役場
改製原戸籍謄本 750円 本籍地の市区町村役場

遠方の役場には郵送で請求できます。郵送の場合、到着まで7〜10日ほどかかるため、早めに動くことが大切です。

2024年3月からは、マイナンバーカードを使って最寄りの市区町村で「広域交付」ができるようになりました。これにより、複数の自治体にまたがる戸籍を一か所で取得できます。

除籍謄本の取得方法について詳しくは「除籍謄本の取り方|必要な場面・請求方法・手数料を4つの方法別に解説」をご覧ください。

法定相続人の範囲と順位

相続人には民法で決められた優先順位があります。

順位 相続人 備考
常に相続人 配偶者 婚姻関係にある夫または妻
第1順位 養子・認知した子も含む
第2順位 父母(直系尊属) 子がいない場合
第3順位 兄弟姉妹 子も父母もいない場合

配偶者は常に相続人になります。それ以外は順位の高い人がいれば、低い順位の人は相続人にはなりません。

ポイント 戸籍の取り寄せが複数の市区町村にまたがると、1〜2か月かかることも珍しくありません。また、集めた戸籍をもとに法務局で「法定相続情報一覧図」を作成しておくと、銀行や法務局など複数の窓口に戸籍の束を何度も提出する手間が省けます。

【STEP3】相続財産の調査はどうやって進める?

相続財産はプラスの財産(不動産・預貯金・株式)もマイナスの財産(借金・ローン)も漏れなく調査することが重要です。

相続財産を正確に把握しないと、遺産分割協議や相続税の計算ができません。以下の方法で調べましょう。

不動産・預貯金・株式・負債を洗い出す

財産の種類 調べ方
不動産 固定資産税の納税通知書、名寄帳(市区町村で取得)、登記事項証明書(法務局)
預貯金 通帳・キャッシュカード、各銀行への残高証明書の請求
株式・投資信託 証券会社からの郵便物、取引残高報告書
生命保険 保険証券、生命保険協会の照会制度
負債(借金) 信用情報機関(CIC・JICC・KSC)への開示請求

特に負債の調査は重要です。借金が多い場合は、3か月以内に相続放棄をする必要があるためです。

また、亡くなった方が年金を受給していた場合は、未支給年金の請求手続きも忘れずに行いましょう。未支給年金は相続財産ではなく遺族固有の権利ですが、5年の時効があるため早めの対応が必要です。

2026年スタートの「所有不動産記録証明制度」とは?

2026年2月2日から、「所有不動産記録証明制度」が始まりました。これは、被相続人の氏名と住所をもとに、全国の法務局に登記されている不動産を一覧で確認できる制度です。

従来は市区町村ごとに名寄帳を取得する必要がありましたが、この制度を使えば一括で把握できます。最寄りの法務局で「所有不動産記録証明書」を請求してください。

注意 この制度は登記記録をもとにしているため、古い住所や旧姓で登記されている不動産は検索に出ない場合があります。名寄帳もあわせて確認することをおすすめします。

【STEP4〜5】相続放棄・準確定申告の期限は?手続き方法を解説

相続放棄は「3か月以内」、準確定申告は「4か月以内」と期限が短いため、早い段階で対応の要否を判断することが大切です。

この2つは期限を過ぎると取り返しがつかないため、特に注意が必要です。

相続放棄の手続き(3か月以内)

相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産も全て受け取らないことを選ぶ手続きです。

被相続人の借金が多い場合に検討します。相続の開始を知った日から3か月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出します(裁判所「相続の放棄の申述」)。

必要書類と費用:

書類・費用 内容
相続放棄申述書 家庭裁判所のWebサイトから書式を取得
被相続人の住民票除票または戸籍附票 市区町村役場で取得
申述人の戸籍謄本 市区町村役場で取得
被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本 市区町村役場で取得
収入印紙 800円
連絡用郵便切手 数百円程度

注意 3か月の期限を過ぎると、原則として相続放棄はできなくなります。相続財産の調査に時間がかかる場合は、家庭裁判所に「期間の伸長」を申し立てることができます。

準確定申告の手続き(4か月以内)

準確定申告とは、亡くなった方の所得税を相続人が代わりに申告する手続きです。

被相続人が確定申告の義務がある方だった場合(事業所得や不動産所得があった場合など)に必要です。相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に、被相続人の住所地の税務署に申告します。

サラリーマンで年末調整のみの方は、通常は準確定申告は不要です。

なお、生前のうちに相続税の負担を減らしたい場合は、「生前贈与を非課税で行うやり方|110万円の控除と2つの制度を比較」も参考になります。

【STEP6】遺産分割協議書は自分で作れる?書き方と注意点

遺産分割協議書は自分で作成でき、専門家に依頼する場合の3万〜10万円の費用を節約できます。

遺言書がない場合は、相続人全員で「誰が、どの財産を、どれだけ相続するか」を話し合います。この合意内容を書面にしたものが遺産分割協議書です。

遺産分割協議書の書き方テンプレート

遺産分割協議書には決まった書式はありませんが、以下の項目を必ず含めてください。

遺産分割協議書のくわしい書き方やテンプレートについては、「遺産分割協議書の書き方|テンプレート付き5ステップ解説」もあわせてご覧ください。

記載する内容:

  • 被相続人の氏名・死亡日・最後の住所・本籍
  • 相続人全員の氏名と住所
  • 各財産の具体的な内容と取得者
  • 相続人全員の署名(自筆)と実印による押印
  • 作成日

不動産は登記事項証明書に記載されているとおりに正確に書きます(所在・地番・地目・地積など)。預貯金は銀行名・支店名・口座番号・金額を記載します。

相続人の人数分の原本を作成し、各自が1通ずつ保管するのが一般的です。

協議がまとまらないときはどうする?

相続人同士で話し合いがまとまらない場合は、以下の順で進めることになります。

段階 方法 概要
1 遺産分割調停 家庭裁判所の調停委員を介して話し合う
2 遺産分割審判 調停が不成立の場合、裁判官が分割方法を決定

調停は家庭裁判所に申し立てます。費用は収入印紙1,200円と連絡用郵便切手のみで、弁護士なしでも申し立てられます。

【STEP7】相続登記は自分でできる?申請方法と必要書類

相続登記は自分でも申請でき、司法書士に依頼する場合の6万〜15万円の報酬を節約できます。2024年4月からは3年以内の申請が義務化されました。

不動産を相続した場合に、法務局で名義を変更する手続きが相続登記です。

相続登記の必要書類一覧

書類 取得先 費用目安
登記申請書 自分で作成(法務局のひな形あり) 0円
被相続人の出生〜死亡の戸籍謄本 市区町村役場 3,000〜10,000円
被相続人の住民票除票 市区町村役場 300円
相続人全員の戸籍謄本 市区町村役場 450円×人数
相続人全員の住民票 市区町村役場 300円×人数
固定資産評価証明書 市区町村役場 300〜400円
遺産分割協議書 + 印鑑証明書 自作 + 市区町村役場 300円×人数
登録免許税 法務局(収入印紙) 評価額の0.4%

法務局への申請手順(窓口・郵送・オンライン)

相続登記の申請先は、不動産の所在地を管轄する法務局です。

申請方法は3つあります:

  1. 窓口申請: 法務局に直接持参する。書類の不備があればその場で確認できる
  2. 郵送申請: 書留郵便で送付する。返送用の封筒と切手を同封する
  3. オンライン申請: マイナンバーカードがあれば「登記・供託オンライン申請システム」で申請できる

初めての方は窓口申請がおすすめです。多くの法務局では予約制の「登記手続案内」を実施しており、申請前に書類の確認をしてもらえます。

2024年義務化の罰則と「相続人申告登記」

2024年4月1日から、相続登記が義務化されました(法務省「相続登記の申請義務化について」)。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がない場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。

2024年3月31日以前に相続した不動産も対象で、この場合の期限は2027年3月31日です。

すぐに遺産分割がまとまらない場合は、「相続人申告登記」を利用できます。これは「自分が相続人です」と法務局に届け出る簡易な手続きで、義務化の期限を一時的に満たすことができます。

注意 相続人申告登記はあくまで暫定的な措置です。不動産の売却や担保設定をするには、正式な相続登記が必要です。

【STEP8】相続税の申告は自分でできる?判断基準と手続き

相続税の申告が必要かどうかは、遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるかどうかで決まります。

基礎控除を超えなければ、相続税の申告は不要です。実際に相続税がかかるのは、全体の約8〜9%程度とされています。

基礎控除額の計算方法

基礎控除額の計算式は以下のとおりです。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数 基礎控除額
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
4人 5,400万円

遺産の合計がこの金額以下であれば、相続税はかかりません。

相続税の基礎控除について、くわしい計算方法やシミュレーションは「相続税はいくらからかかる?基礎控除の計算方法と早見表で解説」で解説しています。

自分で申告するか税理士に頼むかの判断基準

自分で申告できるケース:

  • 遺産が預貯金・現金のみ
  • 不動産の評価が単純(自宅のみなど)
  • 特例の適用が不要

税理士に依頼すべきケース:

  • 遺産に複数の不動産がある
  • 小規模宅地等の特例を使いたい
  • 遺産総額が1億円を超える
  • 非上場株式がある

相続税申告の期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。税理士報酬の相場は遺産総額の0.5〜1%程度が一般的とされています。

相続手続きの費用はいくら?自分でやる場合 vs 専門家に依頼する場合

相続手続きを全て自分でやれば費用は数千円〜数万円で済みますが、専門家に依頼すると合計で10万〜50万円以上かかるのが一般的です。

どの手続きを自分でやり、どこを専門家に任せるかを判断するために、費用を比較しましょう。

費用比較表

手続き項目 自分でやる場合 専門家に依頼する場合
戸籍謄本等の収集 3,000〜15,000円 実費+手数料(2〜5万円)
遺産分割協議書の作成 0円(自作) 3〜10万円(行政書士・司法書士)
相続登記 登録免許税のみ 登録免許税+報酬6〜15万円(司法書士)
相続税申告 0円(自分で申告) 遺産総額の0.5〜1%(税理士)
合計目安 数千円〜数万円 10〜50万円以上

※登録免許税は自分でやっても専門家に頼んでも同額です(不動産評価額の0.4%)。

専門家に依頼すべきケースの判断基準

以下のチェックリストで、自分で進められるかどうかを確認してみてください。

自分でできる可能性が高い方:

  • 相続人が配偶者と子のみ(2〜3人)
  • 遺産は預貯金が中心
  • 不動産は自宅の1件のみ
  • 相続人同士で争いがない
  • 平日に時間が取れる

専門家に相談すべき方:

  • 相続人が4人以上、または関係が複雑
  • 不動産が複数ある、または遠方にある
  • 相続税の申告が必要(基礎控除を超える)
  • 相続人同士で意見が対立している
  • 被相続人に借金がある可能性がある
  • 遺言書の内容に疑問がある

相続手続きの銀行での必要書類は?預金解約の流れ

銀行の預金口座は名義人が亡くなると凍結されるため、相続手続きをして解約(払い戻し)をする必要があります。

銀行の相続手続きは遺産分割協議書の有無などによって必要書類が変わります。

銀行に提出する書類一覧

遺産分割協議書がある場合:

書類 備考
銀行所定の相続届(相続届出書) 各銀行の窓口またはWebで取得
遺産分割協議書 相続人全員の実印を押印
被相続人の出生〜死亡の戸籍謄本 原本(確認後返却される場合あり)
相続人全員の戸籍謄本 原本
相続人全員の印鑑証明書 発行から6か月以内
預金通帳・キャッシュカード 紛失している場合は申告
相続人の本人確認書類 運転免許証・マイナンバーカード等

銀行手続きの注意点

銀行の相続手続きで押さえておきたいポイントをまとめます。

  • 銀行ごとに手続きが必要: 複数の銀行に口座がある場合は、それぞれの銀行で手続きします
  • 手続き完了まで2〜3週間: 書類提出から払い戻しまで、通常2〜3週間ほどかかります
  • 印鑑証明書の有効期限: 多くの銀行では「発行から6か月以内」を求められます
  • 法定相続情報一覧図が便利: 法務局で「法定相続情報一覧図」を作成しておくと、戸籍謄本の束を何度も提出する手間が省けます
  • 遺産分割前でも引き出せる制度: 「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」を使えば、葬儀費用などを一定額まで引き出せます(1金融機関あたり上限150万円)

相続手続きに関するよくある質問

Q. 相続手続きに期限はあるの?

A. 手続きによって期限が異なります。特に注意が必要なのは以下の4つです。

手続き 期限 期限を過ぎると
相続放棄 3か月以内 放棄できなくなる
準確定申告 4か月以内 延滞税・加算税がかかる
相続税申告 10か月以内 延滞税・加算税がかかる
相続登記 3年以内 10万円以下の過料

Q. 相続手続きを自分でやると、どのくらいの期間がかかる?

A. 一般的に6か月〜1年程度が目安です。相続人が少なく、遺産が預貯金中心であれば3〜4か月で完了することもあります。戸籍の収集や遺産分割協議に時間がかかるケースが多いです。

Q. 相続登記をしないとどうなる?

A. 2024年4月以降、正当な理由なく3年以内に相続登記をしないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。また、登記をしないままだと不動産の売却や担保設定ができません。

Q. 相続手続きで戸籍を集めるのが大変な場合はどうすればいい?

A. 2024年3月から始まった「戸籍の広域交付制度」を利用すれば、マイナンバーカードを使って最寄りの市区町村で他の自治体の戸籍も取得できます。また、「法定相続情報一覧図」を法務局で作成しておくと、複数の機関で何度も戸籍の束を提出する手間を省けます。

Q. 遺産分割協議がまとまらないとき、費用をかけずに解決するには?

A. 家庭裁判所の「遺産分割調停」を利用する方法があります。費用は収入印紙1,200円と郵便切手のみで、弁護士に依頼しなくても申し立てることができます。調停委員が間に入って話し合いを進めてくれます。

なお、実家など不動産の名義変更を生前に行う方法については「実家を生前に名義変更する方法|手続き・税金・節税対策」で詳しく解説しています。

また、相続で家族が揉めないための事前対策については「相続争いを防ぐ生前対策5選|「うちは大丈夫」が一番危険な理由」で詳しく解説しています。

まとめ

相続手続きを自分でやるための8つの手順を解説しました。あらためてポイントを振り返ります。

  • 相続手続きは8STEPで進める。まずは遺言書の有無を確認し、戸籍の収集から始める
  • 期限のある手続きを最優先にする(相続放棄3か月・準確定申告4か月・相続税10か月)
  • 2024年4月から相続登記が義務化。3年以内に登記しないと10万円以下の過料の可能性
  • 全て自分でやれば費用は数千円〜数万円に抑えられる
  • 2026年2月からは「所有不動産記録証明制度」で不動産の調査漏れを防げる
  • 相続人が多い・不動産が複数ある・争いがある場合は専門家への相談がおすすめ

また、相続に備えてエンディングノートを準備しておくと、手続きがスムーズに進みます。書き方については「エンディングノートの書き方|項目別の記入例つきでやさしく解説」をご覧ください。

相続手続きは初めての方にとって不安なものですが、一つひとつ順番に進めていけば、自分でも十分に対応できます。分からないことがあれば、法務局の窓口相談や自治体の無料相談会を活用してみてください。なお、配偶者を亡くされた後に義理の親族との関係を見直したい方は「死後離婚(姻族関係終了届)の手続きとメリット・デメリット」もご確認ください。


※ この記事は一般的な情報提供を目的としています。 個別の事情については、専門家(弁護士・税理士・司法書士など)にご相談ください。

参考情報: – 法務省「相続登記の申請義務化について」 – 法務局「相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ(登記手続ハンドブック)」 – 国税庁「相続税の申告のしかた」 – 全国銀行協会「預金相続の手続に必要な書類」

最終更新日: 2026年2月20日